名称:1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタン【DDT】
CAS番号:50-29-3
物質ID: | 857 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 可燃性 または、不燃ないし難燃との情報(ICSC(J)(2004))、(HSDB(2006))があるが、規定試験法によるデータなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素またはフッ素を含んでいない。塩素を含むが、この塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 鉄やアルミに対して多少の腐蝕性ありとの情報があるが(HSDB(2006))、固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:250mg/kg(ACGIH 7th, 2001、PATTY 4th, 1994)、113mg/kg(環境省リスク評価第1巻, 2002)、240、280、420、940および1400mg/kg(PATTY 4th, 1994)、500-2500mg/kgおよび113-450mg/kg(EHC 9, 1979)、300、800、113、355.2、194.5および437.8mg/kg(ATSDR, 2002)に基づき、計算を適用した。計算値は313mg/kgであったことから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:2500mg/kg(ACGIH 7th, 2001、環境省リスク評価第1巻, 2002)、250-3000mg/kg(EHC 9, 1979)、2500-3000mg/kg(ATSDR, 2002)、ウサギLD50値:300-2820mg/kg(EHC 9, 1979)、300mg/kg(ATSDR, 2002)に基づき、動物種別に計算を適用した。ラットの計算値は1602mg/kg、ウサギの計算値は最低値よりも小さかったため最低値の300mg/kgを採用することから、小さい方のウサギの毒性値に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
EHC 9(1979)にヒトの経皮暴露試験では刺激性が認められなかったとの記述があるが、PATTY(4th, 1994)のウサギを用いた試験において軽度ないし中等度の皮膚刺激性が示唆されたとの記述から、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ATSDR(2002)のヒト暴露例の一部で眼への直接接触によると考えられる軽度な刺激性が認められたとの記述から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験であるマウスを用いた優性致死試験で陽性(ATSDR, 2002)またはweakly positive(IARC 53, 1991)の結果があることから、区分1Bとした。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCでグループ2B(ARC 53, 1991)、ACGIHでA3(ACGIH 7th, 2001)、EPAでB2(IRIS, 2006)、NTPでR(NTP RoC 11th, 2005)、EUでカテゴリー3(EU-Annex I, 2006)、日本産業衛生学会で2B(産衛学会勧告, 2005)に分類されていることから、区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC 53(1991)、ATSDR(2002)、PATTY(4th, 1994)、EHC 9(1979)のラット、マウスまたはウサギを用いた経口投与試験において雌雄の生殖能の低下や流早産の増加などの明確な生殖毒性が親動物の一般毒性が認められる用量で認められたとの記述から、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系、肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ATSDR(2002)のラットおよびサルを用いた単回経口投与試験において肝臓および神経系への影響が区分1のガイダンス値範囲の投与量で認められたとの記述、ならびに環境省リスク評価第1巻(2002)、ACGIH(7th, 2001)、EHC 9(1979)、IARC 53(1991)、NTP TR131(1978)のヒトへの急性影響として神経系の障害を示す症状が認められたとの記述、ATSDR(2002)の急性暴露後のヒトにおける標的臓器は神経系であるとの記述から、区分1(神経系、肝臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
環境省リスク評価第1巻(2002)、IRIS(2006)、ATSDR(2002)、PATTY(4th, 1994)、ACGIH(7th, 2001)、EHC 9(1979)のラットを用いた反復経口投与試験において肝臓への影響が区分1のガイダンス値範囲の投与量で認められたとの記述、NTP TR131(1978)、ATSDR(2002)のラットを用いた反復経口投与試験において神経系への影響が区分1のガイダンス値範囲をやや超える用量で認められたとの記述から、区分1(肝臓、神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の2日間EC50=0.36μg/L(環境省リスク評価第1巻、2002)他から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がなく(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性がある(BCF=25900(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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