GHS分類結果

名称:オキシ塩化ジルコニウム
CAS番号:7699-43-6

結果:
物質ID: 809
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - "Not flammable"(Weiss(2nd, 1985))との記述に基づき区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - "Not flammable"(Weiss(2nd, 1985))との記述に基づき区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - "Not flammable"(Weiss(2nd, 1985))との記述に基づき区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水と反応しない(Weiss(2nd, 1985))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義により固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有しない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラット LD50 = 3500 mg/kg(DFGOT vol.12(1999))に基づき区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたmodified Magnusson and Kligman testおよびマウスを用いたlymph node assay の両試験において皮膚感作性は陰性(DFGOT vol.12(1999))であり、ヒトのボランティアを用いた試験でも皮膚感作性を示唆する症状の発生はない(ACGIH(2001))ことから区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、染色体異常の有意な増加が報告されている(PATTY(5th, 2001)、DFGOT vol.12(1999))ことに基づき区分2とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(1996年)によりジルコニウムおよびジルコニウム化合物としてA4に分類されていることから区分外とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系、消化器系、肝臓、血液、泌尿器系、循環器系)、区分3(気道刺激性) 危険
警告
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
H370: 臓器の障害(神経系、消化器系、肝臓、血液、泌尿器系、循環器系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで経口摂取による急性中毒として、消化器官、肝臓、血液、泌尿器系、神経系、循環器系など広範囲の器官に関連する症状が記載されている(PATTY(5th, 2001))。これらの症状の中で重大な毒性影響として、痙攣と消化管出血の発現が動物でも報告されている(RTECS(2004))ので、区分1(神経系、消化器系、肝臓、血液、泌尿器系、循環器系)とした。また、「塩酸への加水分解の過程で気道を刺激し得る」との記述もある(PATTY(5th, 2001))ので区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=15000μg/L(AQUIRE、2003)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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