名称:臭素化ビフェニル
CAS番号:
物質ID: | 803 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | "not flammable"(HSDB(2003))の記載に基づき区分外とした。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | "not flammable"(HSDB(2003))の記載に基づき区分外とした。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | "not flammable"(HSDB(2003))の記載に基づき区分外とした。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素、フッ素または塩素を含まない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有しない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50として 21500, 2000, >5000, >20000 mg/kg(EHC 152(1994)), >2000 mg/kg(IARC 41(1986)), 17000 mg/kg(PATTY(5th, 2001))があり、これらのデータに基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギのLD50として、5000, 5000, >10000, >10000, >8000 mg/kg(EHC 152(1994))、ラットのLD50として>5000 mg/kg(EHC 152(1994))があり、これらのデータに基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットで71および200 mg/L(1h)(4時間値に換算してそれぞれ17.8および50 mg/L)で死亡がない(EHC 152(1994))との報告に基づき区分外とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | ウサギまたはモルモットの皮膚に単回または2週間反復適用により、軽度の紅斑と浮腫が認められた程度であり(EHC 152(1994)、ATSDR(2004))、試験条件によっては皮膚反応を認めない場合もあった(ATSDR(2004))ことから区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギの眼に適用することにより、軽度の刺激、一時的な角膜の発赤と浮腫が認められている(ATSDR(2004))ことに基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験において感作性が認められていない(EHC 152(1994))ので区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 生殖細胞および体細胞を用いたin vivo変異原性試験(ラットの精原細胞、骨髄細胞を用いた染色体異常試験、マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験と小核試験)において、いずれも陰性結果が得られている(EHC 152(1994)、NTP DB(2006))ことに基づき区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(1987年)により2Bに分類されていることに基づき区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットあるいはマウスの器官形成期に投与により胎児に口蓋裂、横隔膜ヘルニア、脳ヘルニア、水腎症の奇形発生が報告され(EHC 152(1994))、また、妊娠期間および/または授乳期間に投与された場合には着床率低下、吸収胚増加、胎児死亡増加、離乳までの出生児死亡の増加も記載されている(EHC 152(1994)、ATSDR(2004))。しかし、親動物での一般毒性に関して記述が見られないので分類は区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに3,3',4,4'-tetrabrominated biphenylまたは3,3',4,4',5,5'-hexabrominated biphenylを10〜13.3 mg/kg単回経口投与することにより、肝臓に類洞閉塞などを伴うびまん性細胞腫大、細胞質空砲化などを主とする影響が報告されている(EHC 152(1994))ことから、区分1(肝臓)とした。なお、肝臓への類似の影響はラットにFireMaster FF-1を経口投与した際にも認められている(PATTY(5th, 2001))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、甲状腺、腎臓、神経系、皮膚) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、甲状腺、腎臓、神経系、皮膚) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットまたはマウスに10 mg/kg/day(90日投与として)以下の用量の反復経口投与により、肝酵素上昇を伴う肝臓肥大、肝細胞の空胞化・腫大などの組織学的変化 [肝臓所見](EHC 152(1994))、甲状腺ホルモン(T3,T4)低下を伴う過形成などの組織学的変化 [甲状腺所見](EHC 152(1994)、ATSDR(2004))、慢性腎障害 [腎臓所見](EHC 152(1994)、NTP TR398(1993))、自発運動低下、前肢・後肢の握力・伸筋反応の減弱 [神経系](NTP TR398(1993))が認められている。一方、米国ミシガン州での汚染事故以降に、膨大かつ種ーののヒトの健康に関する調査研究が行われ、そこでGPT,GOTなどの肝酵素の上昇、肝臓肥大 [肝臓所見](ATSDR(2004))、甲状腺機能低下 [甲状腺所見](EHC 152(1994))、疲労、集中力欠如、うつ、筋脱力などの神経症状 [神経系所見](EHC 152(1994)、ATSDR(2004))、全身症状として座瘡、剥離、落屑、紅斑などの皮膚症状 [皮膚所見](ATSDR(2004))が報告されている。以上の情報に基づき、区分1(肝臓、甲状腺、腎臓、神経系、皮膚)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |