GHS分類結果

名称:ジ-ノルマル-プロピルケトン
CAS番号:123-19-3

結果:
物質ID: 791
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
23℃≦引火点≦60℃ UNRTDG クラス3 PGIIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が430℃である。(ICSC(2002))
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス3に分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットのLD50値:4ml/kg(換算値:3824mg/kg)(PATTY(5th, 2001)vol.6 p.202)に基づき、区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ウサギのLD50値:5.66mL/kg(換算値:4647mg/kg)(ACGIH(7th, 2001))に基づき、区分5とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラットのLC50値(6時間):2690ppm(4時間換算値:3294ppm)(PATTY(5th, 2001))であり、この濃度では、蒸気圧から蒸気と判断されることから、ppm濃度基準値に従い、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ヒトの皮膚に対して、わずかに刺激性がある(slightly irritation)(PATTY(5th, 2001)との記述があり、ウサギに対してもわずかに刺激性がある(slightly irritation)(PATTY(5th, 2001)との記述があることから、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギでの眼刺激性試験では、わずかな刺激性がある(slight irritation)(PATTY(5th, 2001)vol.6 p.283, RTECS(2004))との記述から、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)に、ラット吸入試験で呼吸抑制作用および麻酔作用が認められることが記載されており、PATTY(5th, 2001)に、ラット吸入試験で区分1のガイダンス値範囲で呼吸数の減少が記載されている。さらに、HSFS(1998)、ICSC(J)(2002)に、ヒトで嗜眠、感覚鈍麻、めまい意識消失などの中枢神経抑制症状および咳、咽頭痛があることから、麻酔作用および気道刺激性があると判断され、区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 区分2 警告 H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
化学性肺炎の記載は見られないが、13を超えない炭素原子で構成されたケトンであることから、区分2とした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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