GHS分類結果

名称:1,3-ジオキソラン
CAS番号:646-06-0

結果:
物質ID: 762
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点<23℃、沸点>35℃に該当。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が274℃であり、常温では発火しない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - ハロゲンは含まない。酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラット、LD50の報告が2件あるが、低い方のデータ 3000mg/kg(RTECS(2004))を採用し、区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギ、LD50の報告は2件あるが、低い方のデータを採用すると9074mg/kg(RTECS(2004))であり、この値は5000mg/kg(経皮LD50 2000mg/kg(区分4)*2.5)以上となるので区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - - ラット、LC50の報告は2件あり、低い方のデータは22574ppm/4h(ACGIH(2002))である。20℃における飽和蒸気濃度は104000ppmであり、この試験は蒸気で行われたと考えられる。また22574ppmは12500ppm(気体 5000ppm(区分4)*2.5)以上となるため区分外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギの試験でmild(RTECS(2004))の記載より区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギの試験で72時間後の観察で刺激性(severity rating 8)(ACGIH(2002))の記載より区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 繰り返し皮膚に暴露させて、刺激性は見られたが、アレルギー性の皮膚障害は見られなかった(ACGIH(2002))の記載より区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスの優性致死試験で陰性(ACGIH(2002))、マウスの骨髄細胞による小核試験で陽性(ACGIH(2002))の記載があるが、生殖細胞 in vivo 遺伝毒性試験の報告がないため区分2とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データがなく、IARC等の評価機関の報告もないため分類できない。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトでの報告はない。妊娠ラットに経口投与した試験において、胎児の発育の遅れ、胸骨、頭蓋骨の骨化の遅れが見られた(ACGIH(2002))、経口又は吸入暴露させたラットのオスに無処置のメスを交尾させた試験で、メスの生殖に対する影響は見られなかったが、オスの精巣の鏡検で曲精巣上皮に巣状壊死、及び精子形成異常が見られた(ACGIH(2002))、飲水投与したオスラットと無処置メスとの交尾でカップリング、分娩率の減少、死産数の増加、出生児数の減少が見られた(HSDB(2003))、飲水投与したオスラットと交尾したメスに妊娠中、授乳終了後10日間次の無処置オスとの交尾まで暴露を続けた母獣の妊娠率、分娩数、生まれた生存幼獣(F1b)の数の減少が見られた(HSDB(2003))、飲水投与したオスラットと交尾したメスが分娩後、再度飲水投与した新たなオスと交尾して、交尾率、妊娠率、幼獣(F1b)の21日体重の減少が見られた(HSDB(2003))以上のの記載より区分2に分類した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - 実験動物での試験報告はあるが、区分2のガイダンス値外でのみ影響が見られているので分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 実験動物での試験報告はあるが、いずれも区分2のガイダンス値外でわずかに影響が見られているが、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがなく分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=6950000μg/L(AQUIRE、2003)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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