名称:1,2-ジエチルヒドラジン
CAS番号:1615-80-1
物質ID: | 761 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 類似物質である sym-Dimethylhydrazine(UN-2382)がクラス6.1、副次危険性3、P、容器等級Iであり、クラス1火薬類とされていない。1,2-ジエチルヒドラジンも単独では火薬としての作用はないと思われる。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点のデータは見出せなかったが、HSFS(2001)に「1,2-Diethylhydrazine may burn, but does not readily ignite.」とあることから「区分外」とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | ヒドラジン構造を含むが火薬類ではない。国連危険物輸送勧告書2.4.2.3.2.3のリストに名前が挙がっていないので、クラスBからFである公式判断がない。SADT、分解熱の情報も得られなかった。クラスGと推定されるが、データが足りないので「分類できない」とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 信頼できる物理化学データ集に自然発火するという情報はなく、HSFS(2001)に「1,2-Diethylhydrazine may burn, but does not readily ignite.」とあることから「区分外」とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体に対する試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素、塩素を含まない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 実験データがなく、分類できない。還元性物質であり、金属を腐食することはないと予想される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | 経口投与実験のデータがなく、分類できない。妊娠ラットへの静脈注射で50mg/kgを超える(150mg/kg:発がん性参照)単回投与が行われており、これがLD50の33%以下という記載がHSDB(2003)にある。従って静注LD50は450mg/kg以上と見られ、経口急性致死毒性も「区分4から区分外」の範囲にある(おそらく区分5)と推定される。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHS定義による)液体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 皮膚刺激の実験データがないので、「分類できない」とした。HSFS(2001)に皮膚接触で刺激を起こすとの記載があるので、「区分2」ないし「区分3」と推定される。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 眼刺激の実験データは見出せなかったので「分類できない」とした。HSFS(2001)に眼接触で刺激を起こすとの記載があるので、「区分2A」ないし「区分2B」と推定される。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | In vivo の試験報告はなく、ネズミチフス菌ミュータントでの In vitro 試験報告のみ。データ不足で分類できない。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCおよび日本産業衛生学会で2Bに分類していることから「区分2」とした。1,2-ジエチルヒドラジン自体は発がん性はないといわれているが、体内での代謝生成物であるアゾエタン、アゾキシエタンがラットで発がん性であることが示された。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠15日目のラットに投与して、仔に(脳神経系の)ガンを発生させた(IARC(4th. 1974))。高投与量では胚への影響も報告されている(RTECS(2000))。これらの結果から「区分2」とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 実験報告がなく、分類できない。HSFS(2001)に、吸入により肺を含む呼吸器系刺激の記載、および高濃度暴露で震顫、発作の記載があるので「区分2(吸入:呼吸器系、神経系)」という分類が考えられる。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 実験報告がなく、分類できない。HSFS(2001)に肝臓、腎臓を損傷するとの記述があるので「区分2(肝臓、腎臓)」と考えられる。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
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