GHS分類結果

名称:2-シアノアクリル酸メチル
CAS番号:137-05-3

結果:
物質ID: 751
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - データなし。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分4 - 警告 H227: 可燃性液体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点は83℃(有機化合物辞典,1985)である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 常温の空気と接触しても自然発火はしない(発火点 465℃(有機化合物辞典,1985))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素および塩素を含まない。一方、酸素を含むが炭素以外と結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 過酸化物に関わる原子団を含まない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - 鋼およびアルミニウムの両方が容器として使用できる。(HSDB,2005)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50=1.6g/kg(ACGIH,2001)に基づき区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - モルモットLD50>11g/kg(ACGIH,2001)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLC50=123ppm(4hr換算値:ACGIH,2001)に基づき、区分2とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギのDraize testによる重度の刺激性が報告(RTECS,2004)されている。またヒトで繰り返しばく露による皮膚刺激性が報告されている(CICAD,2001; ACGIH,2001)。よって、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギ眼への刺激影響は7日以内に回復し(CICAD,2001)、ヒトでも可逆性の眼刺激が報告されている(ACGIH,2001)。よって、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 区分1 危険 H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
日本職業・環境アレルギー学会の「職業性アレルギーの感作性化学物質」リストに掲載されており「気道感作性あり」と記されているので、呼吸器感作性区分1とした。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - 皮膚感作性については、モルモット試験において陰性結果が得られている(CICAD,2001;ACGIH,2001)ので、皮膚感作性は区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで喉と気管支の刺激性が報告(CICAD,2001)されていることから、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 区分2ガイダンス濃度で有害影響が認められないことが報告されている(HSDB,2005)が、その他に分類を確定する情報が得られない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 動粘性率(40℃)<14mm2/sと考えられる(動粘性率2mm2/s(25℃)(共通情報:その他の情報))が吸引性呼吸器有害性を示すデータは得られていないので分類できないとした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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