GHS分類結果

名称:五弗化臭素
CAS番号:7789-30-2

結果:
物質ID: 721
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - Not combustible(NFPA(13th, 2002))の記載より区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - Not combustible(NFPA(13th, 2002))の記載より区分外とした。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - Not combustible(NFPA(13th, 2002))の記載より区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水と激しく反応するが、生成物は、弗化水素、臭化水素等であり、不燃性である。(ただし、反応は激しく、発熱し、有毒物質を発生するので注意を要する。)
13 酸化性液体 区分1 危険 H271: 火災又は爆発のおそれ:強酸化性物質 P371+P380+P375: 大火災の場合で大量にある場合:区域から退避させ、爆発の危険性に応じ、離れた距離から消火すること。
P306+P360: 衣類にかかった場合:服を脱ぐ前に、直ちに汚染された衣類及び皮膚を多量の水で洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P283: 防火服/防炎服/耐火服を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
国連分類クラス5.1、Iに分類されている。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機物ではない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 沸点が40℃で試験法が適用できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット LC50:96ppm/3.7h(ACGIH(2001))により区分1とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
蒸気、または液体に接触すると、痛み、深在痛、長引くと熱傷を起こす(ACGIH(2001))の記載、及び国連分類副次危険クラス8に分類されていることより区分1A-1Cに分類した。細区分は分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
眼に対し激しい熱傷を起こす(HSDB(2005))の記載と、皮膚腐食性/刺激性が区分1A-1Cであるため区分1に分類した。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - いずれもデータがなく分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - いずれもデータがなく分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データがなく、IARC等評価機関の報告もなく分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)、区分2(全身毒性) 警告
危険
H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性)
H370: 臓器の障害(呼吸器系)
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
吸入暴露で重大な肺損傷(肺線維症、肺気腫、無気肺、気管支炎)、呼吸困難(ACGIH(2001))、肺水腫(ICSC(2000))、気管痙攣、肺出血、上気道(喉頭、気管、気管支)の熱傷(HSDB(2005))を起こすとの記載より区分1(呼吸器系)に、及び吸入、経口、経皮暴露により血中イオンバランスの乱れ、心律動異常等を起こす(HSDB(2005))の記載があり、Priority2であることより区分2(全身毒性)に分類した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(歯、骨、血液) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(歯、骨、血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
慢性暴露により貧血、白血球減少、歯の脱色、骨硬化症(HSDB(2005))の記載があり、Priority2であることより区分2(歯、骨、血液)に分類した。
10 吸引性呼吸器有害性 区分2 警告 H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
化学性肺炎を起こし得る(HSDB(2005))の記載より区分2に分類した。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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