GHS分類結果

名称:4-クロロ-2-メチルアニリン塩酸塩
CAS番号:3165-93-3

結果:
物質ID: 714
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性、および自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素、酸素は含まない。塩素を含むが、炭素ないし水素としか結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体に対する試験方法が確定していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで経口LD50:860mg/kg(DFGOT vol.6(1994))というデータが得られているので「区分4」とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットで経皮LD50:>2150mg/kg(DFGOT vol.6(1994))という値が得られているので「区分5」とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - (GHSの定義による)固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ラットの皮膚に24時間、接触させて刺激が見られなかった(DFGOT vol.6(1994))ので「区分外」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
In vivo 試験ではマウスのcoat coloured spot testで次世代に変異が見られた(DFGOT vol.6(1994))のみで、転座試験、優性致死試験など生殖細胞の試験では陰性だったので「区分2]とした。
6 発がん性 区分1B 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
EPAはB2(区分2相当)としているが(HSDB(2003)), IARCが2Aとしている(IARC 77(2000))のを採用し「区分1B]とした。膀胱がんが報告されている。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 牡マウスへの投与がF1に影響がなかった(DFGOT vol.6(1994))という報告があるのみで、妊娠牝での実験報告が見出せなかった。データ不足で分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(膀胱) 危険 H370: 臓器の障害(膀胱) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで、血尿などを伴う膀胱障害が報告されている(IARC 48(1990), DFGOT vol.6(1994))ので、「区分1」とした。 (更新1)血尿から、標的臓器を尿路系とすべきではないか、との専門家の指摘があった。IARC 48(1991)から引用した1933年の文献の記述からは、そうとれないこともない。DFGOT vol.6(1994)から、1980年の別文献を加えた(農薬との混合暴露の可能性があるので、初回採用しなかったもの)。ここでは明確に膀胱への影響の診断結果が記載されている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(膀胱、肝臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(膀胱、肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトで膀胱障害、動物で肝臓への影響が報告されている(IARC 48(1991))ので「区分1」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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