GHS分類結果

名称:ギ酸エチル
CAS番号:109-94-4

結果:
物質ID: 702
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない物質。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点:-20℃ 且つ 沸点:53-54℃
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点440℃(ICSC(1998))の液体で常温では発火しない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない物質。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素、塩素を含まない。酸素を含んでいるが、化学結合しているのが炭素原子のみ。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット LD50: 1850mg/kg(DFGOTvol.19(2003))に基づき区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギ LD50:>5000 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分5 - 警告 H333: 吸入すると有害のおそれ P304+P312: 吸入した場合:気分が悪いときは、医師に連絡すること。 ラット LC50値:4000-8000ppm(ACGIH(2001))に基づき区分5とした。(20℃に於ける飽和蒸気濃度は3.2*10^(5)ppm)
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データがない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギの試験で刺激性なし(DFGOTvol.19(2003))、ヒトにおいても刺激性なし(DFGOTvol.19(2003)),(IUCLID(2000))との記載より区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ヒトの蒸気暴露で中程度の刺激性(HSDB(2005))、ウサギの試験で角膜の炎症(DFGOTvol.19(2003))、中程度の刺激性(IUCLID(2000))の記載はあるが、回復性のデータがないため、2A、2Bの区分ができない。表示が必要な場合は安全性の観点から2Aとすることを薦める。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがない。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - ボランティアの試験で感作性なし(IUCLID(2000))の記載より区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitroの試験で陰性の結果はある(エームズ試験、陰性)が、in vivoの報告はないため、技術上の指針に基づいて分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - 経皮試験で陰性(PATTY(2001)),(DFGOTvol.19(2003))の記載はあるが、経口、吸入のデータがなく、IARC等の評価機関の情報もないため分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトへの暴露で麻酔作用、鼻への刺激性がある(ACGIH(2001))の記載より区分3(麻酔作用、気道刺激性)に分類した。動物の試験で報告された症状はいずれも区分2のガイダンス値外の投与量で見られた。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 動粘性率:0.434mm2/sだが、化学性肺炎の情報がないため分類できないとした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(ニジマス)の96時間LC50=230mg/L(IUCLID、2000)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=88200mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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