GHS分類結果

名称:オルト-ニトロアニソール
CAS番号:91-23-6

結果:
物質ID: 697
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 国連輸送勧告でクラス1(火薬類)に分類されていない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点は93℃を超えている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - ニトロ基を有するが、国連輸送危険物クラス4.1に分類されていない。分解熱が300J/g未満またはSADTが75℃超であれば「区分外」となるが、そのデータが見つからない。「クラスG」の可能性もある。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 国連輸送勧告でクラス4.2に分類されていない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体の試験法が設定されていない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 区分外 - - - - 分子内に、窒素と結合した酸素を含むが、国連輸送勧告でクラス5.1に分類されていない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-基を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 試験データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットの経口毒性平均値740mg/kgであったので、「区分4」とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットの経皮暴露実験で2000mg/kgにおいて死亡動物がなく、重大な急性毒性報告もないので「区分外」とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - 吸入毒性試験のデータがない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 吸入毒性試験のデータがない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギの試験(DFGOT vol.9(1998))で皮膚刺激が認められていないので、「区分外」とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギの試験(DFGOT vol.9(1998))で軽度の刺激があり、24時間以内に回復しているが、区分に該当しないと判断した。BUA140(1993)も同じ実験について「no irritant」と判定している。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがなく、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
In vivo データはないが、少なくない In vitro 変異原性試験のデータがあり、これらの知見は、複数指標での変異原性陽性を明確に示していると見られるので、「区分2」として分類する。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCが1996年のモノグラフ65で「2B」と判定しているので「区分2」とした。EUのカテゴリー2からは「区分1B」となるが、指針の注記に従いIARCの判定を採用した。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットの妊娠中経口投与実験で、影響が見られた。また13週の経口投与実験において高投与量で牝の生殖器官に影響が報告されている(DFGOT vol.9(1998))。催奇形性はなく、雌生殖器への影響も一般毒性より低いところで発現したという明確な記載がなく、「区分外」とした。(専門家コメントによる)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - 有効な試験データがなく分類できない。急性致死試験の所見としては「呼吸困難・立毛」の記載がある(RTECS(2005))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液、肝臓、脾臓、膀胱) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液、肝臓、脾臓、膀胱) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットへの4週間以上の経口反復暴露(40mg以上/kg/日)で溶血性貧血および内臓重量などの悪影響が見られる(DFGOT vol.9(1998))ので「区分2」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 化学性肺炎の情報がなく、分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=59mg/L(IUCLID、2000)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性毒性が区分3であるものの、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=13mg/L(ECETOC TR91、2003)から判断して、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る