GHS分類結果

名称:エチレングリコールモノイソプロピルエーテル
CAS番号:109-59-1

結果:
物質ID: 672
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点(33.3℃(溶剤ポケットブック(1997)))が、23℃以上、60℃以下に入るため、区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が 240 ℃(ICSC(J)(2004))で、70℃ を越えるため、区分外とした。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素、塩素を含まず、酸素が炭素、水素以外の原子と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラット経口投与の結果、2種の LD50 値が記載されていたため、低い方の値 LD50 = 5600 mg/kg(ECETOC TR64(1995))をとり、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4 警告 H312: 皮膚に接触すると有害 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウサギ経皮 LD50 = 1440 mg/kg(1.6ml/kg)(DFGOT vol.V(1993))より、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラット吸入 LC50 = 4000 ppm(DFGOT vol.V(1993), ECETOC TR64(1995))より、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 飽和濃度は 6961ppm で、吸入試験は何れも蒸気の状態で行われていると推察される。ミストについてのデータは無いため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
Draize 法により、Moderate と分類されている(RTECS(2004))ため、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
刺激性はあるが、7日以内に回復するという記載(DFGOT vol.V(1993), ECETOC TR4(1982), PATTY(5th, 2001)vol.7)に基づき、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。のため、分類できないとした。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いた試験で、感作性なし(PATTY(5th, 2001)vol.7)という報告に基づき区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro 変異原性試験でのデータしかないため、技術指針に従い、分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分外 - - - - 交配前から妊娠期間を通じ分娩期までのラットの経口投与で、性周期、交尾および受胎能力、妊娠期間、分娩ならびに哺育状態等の項目に、2-(1-メチルエトキシ)エタノールの投与に起因したと考えられる変化は認められなかった(厚生省報告(2005))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液) 危険 H370: 臓器の障害(血液) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
血液(血色素尿)のほか、中枢神経系、肝臓、腎臓、脾臓が標的臓器として挙げられている。このうち、血液(much blood passed in urine)、腎臓(severely affected kidney)についての報告(PATTY(5th, 2001)vol.7)が、区分1のガイダンス値内にあるが、腎臓は溶血による二次的影響と思われるため、区分1(血液)とした。中枢神経系、肝臓、脾臓については投与量不明、あるいは症状が弱いため、分類できなかった。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
区分2のガイダンス値の範囲内で、経口で貧血(厚生省報告(2005))、吸入で溶血作用(血色素尿)と貧血(DFGOT vol.V(1993))が報告されているため、区分2(血液)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(ヒメダカ)の96時間LC50>100mg/L(環境省生態影響試験、2001)から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1.00×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

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厚生労働省モデルSDS

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