GHS分類結果

名称:亜硫酸水素ナトリウム
CAS番号:7631-90-5

結果:
物質ID: 639
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 水溶液。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 水溶液。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 水溶液。
6 引火性液体 区分外 - - - - 不燃性水溶液。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - 水溶液。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性あるいは自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性水溶液。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - 水溶液。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体のための試験方法未確定。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水溶液は安定。
13 酸化性液体 区分外 - - - - 還元性物質。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 水溶液。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口LD50:1310mg/kg(平均値)から「区分4」とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不十分で分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 水溶液。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - 水溶液。揮発するのは主に水蒸気。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不十分で分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - 動物実験では無刺激であるが、濃厚溶液でヒトに刺激を与えるという情報があり、国連危険物輸送においてもクラス8とされている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - ヒトの事例(ACGIH(2002))があるが、水溶液での動物実験結果は無刺激とされている。
4 呼吸器感作性 区分1 危険 H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの疫学情報で、少数例であるが吸入、皮膚接触、経口摂取によるアレルギーが報告されている。亜硫酸酸化酵素欠損のヒトに起こるといわれている。発生率が高くないが、専門家判断により「区分1」とした。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの疫学情報で、少数例であるが吸入、皮膚接触、経口摂取によるアレルギーが報告されている。亜硫酸酸化酵素欠損のヒトに起こるといわれている。発生率が高くないが、専門家判断により「区分1」とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - In vivoの結果は「マウスおよびマウスの経世代変異原性試験で陰性。In vitroの試験結果に陽性があるが、指針に従い「区分外」とした。【専門家意見により、根拠の文を訂正】
6 発がん性 区分外 - - - - IARCでクラス3、ACGIHでA4としていることから「区分外」とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - 多世代の試験で悪影響が報告されていないので「区分外」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトのエアゾール暴露で呼吸器刺激の情報があるので「区分3(気道刺激性)」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
洗濯労働者、および食品摂取者に喘息の報告がある(ACGIH(2001))ので、「区分1」とした。(専門家判断により修正)
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 分類できるデータなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=119000μg/L(AQUIRE、2003)他から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=540g/L(IUCLID、2000))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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