名称:アクリル酸ノルマル-ブチル
CAS番号:141-32-2
物質ID: | 630 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団として不飽和のC-C結合を含むが、UNRTDG クラス3に基づき区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点29℃のため区分3(GHS判定基準:引火点23℃以上、60℃以下)とした。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 自己反応性に関わる原子団として不飽和のC-C結合を含むが、UNRTDG クラス3に基づき区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点267℃(ホンメル(1991)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス3に基づき区分外とした。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットのLD50の14試験結果(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994))から技術指針にしたがって計算したLD50=4349mg/kgに基づき、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ウサギの5試験結果(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994))から技術指針にしたがって計算したLD50=2054mg/kgに基づき、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
飽和蒸気圧濃度は5248ppmであるため、吸入試験は蒸気で行われたと思われる。ラットの8試験結果(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994))から、技術指針にしたがって計算したLC50=10.6mg/Lから換算したLC50=2026ppmに基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギで中〜強度の紅斑、浮腫を生じ(SIDS(2002))、ヒトで皮膚刺激性があるとの記載、および丘疹紅斑性の皮膚疾患を生じたとの記載(SIDS(2002)、DFGOT vol. 5(1993))があること、EUでXi; R36/37/38に分類していること(EU-Annex I(2005))に基づき、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギにおいて眼に刺激性を示した(ECETOC JACC 27(1994)、SIDS(2002))、角膜にわずかの混濁を生じた(ECETOC JACC 27(1994)、SIDS(2002))、中度〜重度の傷害を生じた(SIDS(2002))等の記載があり、EUでX; R36/37/38に分類されている(EU-Annex I(2005))ことに基づき、区分2A-2Bとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットで遅延性接触皮膚過敏症を示し、感作性を有する記載があり(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994)、ACGIH(7th, 2003))、ヒトにおいてパッチテストの結果により本物質がアレルギー性接触皮膚炎の原因となるとの多くの記載がある(SIDS(2002)、DFGOT vol. 5(1993)、IARC71(1999)、ECETOC JACC 27(1994))こと、日本職業・環境アレルギー学会により皮膚感作性化学物質として挙げられている(ALGY学会(感)物質リスト(案))こと、EUでR43と分類されている(EU-Annex I(2005))ことに基づき、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験結果が無く、体細胞を用いるin vivo変異原性試験(ほ乳類骨髄細胞を用いる染色体異常試験)で陰性である(SIDS(2002)、ACGIH(7th, 2003)、ECETOC 27(1994)、DFGOT vol. 5(1993))ことから、技術上の指針に基づき区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCで3に分類され(IARC 71(1999))、ACGIHでA4に分類されてる(ACGIH(7th, 2003))ことに基づき、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット吸入試験で親動物に一般毒性が見られる用量において胚致死、児の体重低値、生存胎児の減少傾向などが見られたとの記載(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994))があり、マウスの経口投与および吸入による試験で親に毒性が見られる用量で胚致死、児の体重低値、催奇形性が見られたとの記載がある(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994)、PATTY(5th, 2001))ことに基づき、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおいて呼吸器への刺激性を認めた記載(SIDS(2002))、鼻の分泌物が増加し、粘膜の充血が見られたとの記載(SIDS(2002)、ECETOC JACC 27(1994))に基づき、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットにおいて区分2のガイダンス値(0.2-1.0mg/L)の範囲内の用量で、鼻の嗅覚上皮に細胞の欠如とこれを補う過形成が見られたが(DFGOT vol. 12(1999))、暴露12か月という長期間で発現しており、ヒトにおいて嗅覚に対する影響は可逆的なものと示唆される記載がある(SIDS(2002))。その他区分2のガイダンス値範囲内の用量で体重減少等の記載もあるが(SIDS(2002))、その程度は不明である。これらのことから、データ不足により分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 区分2 | 警告 | H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P331: 無理に吐かせないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSCカードの吸引性呼吸器有害性に該当する可能性があるとの記載(ICSCカード番号 0400)に基づき、区分2とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=1.7mg/L(環境省生態影響試験、1999)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(BODによる分解度:61.3%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.36(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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