GHS分類結果

名称:メチルアミン
CAS番号:74-89-5

結果:
物質ID: 617
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
爆発範囲 4.9〜20.7 vol%
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 引火性ガス
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度 156.9℃
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50:100-200mg/kg(ACGIH(2001)およびDFGOT(1996))および698mg/kg(DFGOT(1996))より計算式を適用した。計算値は最小値を下回ったため、最小値の100mg/kgに基づき区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - PATTY(1994)にモルモットのデータがあるが、LD50が明確でないことから、データ不足のため分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラットLC50(4時間):4400ml/m3および6400-9100ml/m3(いずれもDFGOT Vol.7(1996))に基づき、統計計算した。計算値は最低値と同じ4400ml/m3(4400ppm)であったことから、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質(ガス)による皮膚刺激性試験データはないが、40%溶液はウサギの皮膚に壊死を起こす(PATTY, 4th 1994)との記述に基づき、水溶液には皮膚腐食性があると判断され、区分1A-1Cとした。詳細なデータは不明のため、細区分はできなかった。 [表示]細区分する必要がある場合は、安全性の観点から1Aとした方が望ましい。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
本物質(ガス)による眼刺激性試験データはないが、40%溶液はウサギの眼に強度の刺激性(ACGIH, 7th, 2001)および角膜の損傷性がある(PATTY, 4th, 1994)との記述に基づき、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - アレルギー性または刺激性の気管支炎の症例に関する未公表データがある(ACGIH, 7th, 2001)が、公知の文献には症例報告がないことから、データ不足のため分類できないとした。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分1B 危険 H340: 遺伝性疾患のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット吸入暴露試験による優性致死試験において陽性の結果があるとの記述(RTECS(2005))に基づき、区分1Bとした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 妊娠ラットへの吸入暴露試験において着床後の胎児死亡が投与量に依存して増えるとの記載がある(DFGOT(1996))が、出典には詳細が不明であるため評価ができないと記載されている。一方、IUCLID(2000)ではマウスの腹腔内投与による生殖毒性試験では影響なしとの報告もあるが、Priolity1のラットのデータを否定するものではないことから、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priolity2の情報ではあるがHSFS(2004)およびSITTIG(2002)で呼吸器粘膜への刺激性があるほか、高濃度暴露により肺水腫を起こすことがあるとの記述、およびEUの危険な物質に関する分類においても呼吸器系に刺激作用がある物質に分類されていることから、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器系、肝臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器系、肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
DFGOT(1994)でにラットの鼻部暴露試験において、神経系、肝臓、免疫学的パラメータを含む血液中の逸脱酵素および臓器の形態異常などが報告されているが詳細は不明である。一方、HSFS(2004)およびSITTIG(2002)では気管支炎を更に高濃度暴露により肝臓に影響を及ぼす可能性か示されていることから区分2(呼吸器系、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHS定義によるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=163000μg/L(AQUIRE、2003)他から、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性でなく(水溶解度=1.08×106mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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