名称:塩素
CAS番号:7782-50-5
物質ID: | 570 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2000)他) |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 区分1 | 危険 | H270: 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P376: 火災の場合:安全に対処できるならば漏洩を止めること。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P244: 減圧バルブにはグリース及び油を使用しないこと。 P403: 換気の良い場所で保管すること。 |
本物質は ISO 10156-2 に記載されている「区分1」の酸化性ガスである。 | |
5 | 高圧ガス | 低圧液化ガス | 警告 | H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ | P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | 臨界温度143.8-144℃に基づき「低圧液化ガス」とした。 | |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義によるガスである。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの2データの4時間換算値がいずれもLC50=146 ppm(EHC 21(1982), ACGIH(2005))であることに基づいて区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義によるガスである。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義によるガスである。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトで塩素ガスへの暴露により顔面に軽度の火傷を生じた事例があること(EHC 21(1982))、皮膚に腐食性を示す可能性があるとの記載があること(HSDB(2005))に基づき区分1A-1Cとした。なお、液化塩素が皮膚に触れた場合の一次災害/急性症状として「凍傷、腐食性。皮膚熱傷、痛み。」の記載(ICSC(J)(2000))、液化塩素は凍瘡、火傷を起こすとの記載(HSDB(2005))があることから、液化された塩素への接触には特に注意を要する。本物質はEUによりXi; R36/R37/R38に分類されている(EU Annex I(2005))。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
サルで眼に刺激性を認めたとの記載(PATTY(5th, 2001))、ヒトで濃度により軽度から重度の刺激があるが、いずれも短時間で回復するとの記載(EHC 21(1982))、及びヒトで眼に腐食性を示す危険があり、重篤なあるいは永続的な障害を及ぼすことがあるとの記載(HSDB(2005))がある。これらの情報の内最も危険性が高い場合をとって区分1とした。なお、本物質はEUによりXi; R36/R37/R38に分類されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験は無く、哺乳類(マウス)によるin vivo小核試験で陰性であったとの記載(IUCLID(2000))に基づいて区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCでグループ3に分類されており(ACGIH-TLV(2005))、ACGIHでA4に分類されている(ACGIH(2005))ことに基づいて区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラット及びマウスの試験において、親の生殖能力、児の発生発育に対する影響が見られないこと(EHC 21(1982), IRIS(2002), IUCLID(2000))、および塩素工場従業員において妊娠から授乳に至るまで影響がなかったとの記載(EHC 21(1982))に基づいて区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系、神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器系、神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス、ウサギ、イヌにおいて、区分1のガイダンス値範囲内の暴露量に相当する用量で肺水腫、肺出血、肺機能低下、気管支炎、気管上皮の壊死など呼吸器系への障害が見られ、ラットでも用量の記載はないが同様の障害が見られる(EHC 21(1982))。また、マウス、ネコ、ウサギおよびモルモットでは気道粘膜の炎症、息詰まり、呼吸数減少、上部気道刺激の記載(EHC 21(1982), ACGIH(2005), PATTY(5th, 2001))もある。ヒトにおいても肺炎、肺水腫、気管支炎、気管気管支の潰よう、肺機能の低下、喘息及び喘息様症状(RADS)、喉や鼻への刺激、咳、呼吸困難など呼吸器系への障害および刺激性を示す記載(EHC 21(1982), ACGIH(2005), PATTY(5th, 2001))がある。これらの情報に基づいて区分1(呼吸器系)とした。ヒトで嘔吐、頭痛、不安感、失神、疲労感、等の他、光感受性の亢進、大脳皮質への直接作用があるとの記載(EHC 21(1982), PATTY(5th, 2001))に基づき区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器系、腎臓、嗅覚器)、区分2(歯) |
警告 危険 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系、腎臓、嗅覚器) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(歯) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット、マウスの吸入実験において区分1のガイダンス値範囲内の用量で肺に障害を及ぼすとの記載や、気道上皮の炎症及び組織学的変化を認めたとの記載(EHC 21(1982), PATTY(5th, 2001), IUCLID(2000))がある。ヒトで気管支疾患、肺出血を起こす可能性が指摘され(EHC 21(1982))、咳、喉の痛み、喀血、胸痛などの所見が記載されている(ACGIH(2005))。また肺の永続的な障害や慢性気管支炎の恐れがあるとの記載もある(HSDFS(1998), SITTIG(4th, 2002))。これらの情報に基づいて区分1(呼吸器系)とした。ラット吸入実験において、区分1のガイダンス値範囲内の用量で腎機能への影響を示す生化学的変化が見られたとの記載(PATTY(5th, 2001))に基づき区分1(腎臓)とした。EHC 21(1982)およびPATTY(5th, 2001)にヒトで嗅覚不全を生じたとの記載があり、HSDFS(1998)およびSITTIG(4th, 2002)に歯に障害を及ぼすとの記載があることに基づき、区分1(嗅覚器)、区分2(歯)とした。なお、マウス及びラットへの経口投与において区分2のガイダンス値範囲内の用量で対照群と比較して10 %〜20 %の低体重を示したとの記載(IRIS(2002))があるが、呼吸器系や腎臓へ影響による2次的影響と考えられた。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義によるガスである。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=14μg/L(IUCLID、2000)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 |
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