GHS分類結果

名称:2-(4-クロロ-6-エチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ-2-メチルプロピオノニトリル
CAS番号:21725-46-2

結果:
物質ID: 521
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(2004))であるから、区分外に該当する。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(2004))であるから、区分外に該当する。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(2004))であるから、区分外に該当する。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点:167-169℃(農薬登録申請資料))。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号2763 トリアジン系殺虫殺菌剤類、固体、毒性のもの(ICSC(2004)))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験でのLD50=306mg/kg(農薬登録申請資料(1983))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットを用いた経皮投与試験でのLD50>6,590mg/kg(農薬登録申請資料(1983))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットを用いた吸入暴露試験でのLC50>0.809mg/L(4時間換算)(農薬登録申請資料(1983))のデータはあるが、区分を特定できないため分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 4時間適用試験ではないが、PATTY(4th, 1999)のウサギを用いた皮膚刺激性試験(24時間適用、密閉塗布)において、「軽度の刺激」との記述があることから、軽度の刺激性を有すると判断し、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
PATTY(4th, 1999)のウサギを用いた眼刺激性試験において「軽度ないしは中等度に刺激」及び、90 % 製剤を用いた場合「激しい刺激性:回復に14日かかった」との記述があることから、中程度の刺激性を有すると判断し、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたビューラー法での皮膚感作性試験において陰性であった(農薬登録申請資料(1998))ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験、染色体異常試験、不定期DNA合成試験、マウスを用いたin vivoでの染色体異常試験、優性致死試験、不定期DNA合成試験で全て陰性であった(農薬登録申請資料(1983、1996、1997))ことから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットおよびマウスでの発がん性試験で試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がない(農薬登録申請資料(1983、1996))ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた3世代繁殖性試験、ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響が見られなかった(農薬登録申請資料(1983))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
実験動物については、「嗜眠」(RTECS(2003))の記述があることから、麻酔作用をもつと考えられた。 以上より、分類は区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓、心臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、心臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
実験動物については、「急性腎不全、急性尿細管壊死、心筋梗塞を含む心筋症」(RTECS(2003))等の記述があることから、腎臓、心臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、腎臓への影響が区分1、心臓への影響が区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。しかし、引用評価書がPriority 2であるため、区分2とした。 以上より、分類は区分2(腎臓、心臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(緑藻)のErC50=20μg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.22(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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