GHS分類結果

名称:N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド
CAS番号:95-31-8

結果:
物質ID: 478
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点108℃(Lide,84th,2003)、試験温度140℃)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験の LD50>2,000 mg/kg(SIDS(2004))、>6,310 mg/kg(CERIハザードデータ集 2001-18(2002))のうち、小さい値である LD50>2,000 mg/kg がOECDTG423に準拠したものであり、死亡、毒性症状がともに見られなかったことから、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50>7,940 mg/kg(SIDS(2004))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - SIDS(2004)のDraize法によるウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果の記述に、「弱い(slight)刺激性を示したが、本物質は皮膚刺激性を示さないと結論する」とあり、CERI・NITE有害性評価書 No.22(2005)の結果の記述にも「皮膚刺激性はなし」とあることから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - SIDS(2004)ウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述に「軽度の刺激性を示したが、本物質は眼刺激性を有さないと結論する」とあることから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
CERI・NITE有害性評価書 No.22(2005)のヒト疫学事例に皮膚感作性を示す報告が3例あり、SIDS(2005)のモルモットを用いたBuehler法による試験の結果の記述に「皮膚感作性を示した」とあることから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - NITE初期リスク評価書 No.22(2005)、CERIハザードデータ集2001-18(1997)、CERI・NITE有害性評価書 No.22(2005)、SIDS(2004)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陰性、であることから「区分外」とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分外 - - - - NITE初期リスク評価書 No.22(2005)、CERI・NITE有害性評価書 No.22(2005)、SIDS(2004)の記述から、反復投与毒性/生殖毒性併合試験において親動物の生殖器官や、次世代への影響がみられていないことから、「区分外」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため、分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓、血液系、肝臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、血液系、肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
実験動物については、「近位尿細管の空胞変性、溶血」(厚労省報告(1997))、「肝臓での限局性または多発性の巣状壊死」(NITE初期リスク評価書 No.22(2005))、「肝臓への組織病理学的変化が最高用量投与群でみられた」(SIDS(2003))等の記述があることから、腎臓、血液系、肝臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分2(腎臓、血液系、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=0.071mg/L(SIDS、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(分解生成物のBCF(2-メルカプトベンゾチアゾールのBCF<8、ジ(ベンゾチアゾリル-2)ジスルフィドのBCF=51、tert-ブチルアミンのBCF=16、ベンゾチアゾールのBCF=7.5)より類推(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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