GHS分類結果

名称:ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム=クロリド
CAS番号:61789-80-8

結果:
物質ID: 465
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - ICSC(2004)では、一般的な製品の主成分であるジステアリルジメチルアンモニウム=クロリド(C38H80ClN)を可燃性としているが、データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験温度より低温で分解する物質に適した試験方法が確立していない(一般的な製品の主成分であるジステアリルジメチルアンモニウム=クロリド(C38H80ClN)は融点より低い135℃で分解する(ICSC,2004)、試験温度140℃)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 炭素、水素以外の元素と化学結合している塩素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない(一般的な製品の主成分であるジステアリルジメチルアンモニウム=クロリド(C38H80ClN)は融点より低い135℃で分解する(ICSC,2004)、試験温度55℃)。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験から、LD50=11,300 mg/kg(CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットを用いた経皮投与試験のLD50>2,000 mg/kg(CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005)のウサギを用いたOECD TG404に準拠した試験の結果の記述に、含有量97%の本物質を72時間適用した場合に「刺激性を示さなかった」とあるため、刺激性なしと考え、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005)の、OECD TG405に準拠したウサギを用いた試験の結果の記述に、「強い刺激性を示した」とあり、非可逆的な刺激性を示すか不明であるため区分1-2Aとした。安全性の観点から区分1とする方が望ましい。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005)のヒト疫学事例に、皮膚感作性が示されなかった報告が3例あり、モルモットを用いたマキシマイゼーション法に準拠した試験の結果の記述に「感作性は認められなかった」とあることから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005)、SIDS(1996)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo遺伝毒性試験なし、in vitro変異原性試験で複数指標の(強)陽性結果なし、であることから「分類できない」とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
CERI・NITE有害性評価書 No.78(2005)の記述から、ラットの生殖毒性試験、マウスの催奇形性試験において、親動物における一般毒性についての記述がない、または親動物での一般毒性が発現する用量で、親動物に妊娠率の低下、次世代に生存率の低下などがみられていることから、「区分2」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.16mg/L(CERI・NITE有害性評価書(暫定版)、2006)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=13(CERI・NITE有害性評価書(暫定版)、2006))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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