名称:トリクロロアセトアルデヒド
CAS番号:75-87-6
物質ID: | 441 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、国連危険物輸送勧告では安定剤入りのものがクラス・区分6.1(国連番号2075)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、酸素および塩素を含む有機化合物であるが、これら酸素および塩素がそれぞれ炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお国連危険物輸送勧告では安定剤入りのものがクラス・区分6.1(国連番号2075)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 480mg/kg(CICAD 25(2000))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた経皮投与試験のLD50 1,510mg/kg、15,000 mg/kg(CERIハザードデータ集2000-52(2001))のうち低い値1,510 mg/kgから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体のため、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験(蒸気)のLC50 2.12mg/L(4時間)(CERIハザードデータ集2000-52(2001))、0.44 mg/L(環境省リスク評価第3巻(2004)に基づき、小さい方の値を用いて区分する。0.44 mg/Lは換算係数を用いると73ppmが得られた。 飽和蒸気圧4.7 kPa(20℃)(CERIハザードデータ集2000-52(2001))における飽和蒸気圧濃度は47000ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | CERI・NITE有害性評価書 No.97(2004)のヒト症例の報告の記述に「抱水クロラールは皮膚及び粘膜刺激性があり、臨床用量で胃痛、吐き気、嘔吐を起こすことがある」とあることから、「皮膚刺激性を有する」と考えられるが、刺激性の程度のデータがないため、区分3とした。 なお、「トリクロロアセトアルデヒドは生体内では水と反応して速やかに水和物である抱水クロラールとなる。」(NITE初期リスク評価書 No.97(2005))との記載があるが、本物質の分類に際しては、評価書にトリクロロアセトアルデヒドを用いて試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.97(2004)のヒト症例の報告の記述に「抱水クロラールは皮膚及び粘膜刺激性があり、臨床用量で胃痛、吐き気、嘔吐を起こすことがある」とあることから、「皮膚刺激性を有する」と考えられるが、刺激性の程度のデータがないため、区分2Bとした。 なお、「トリクロロアセトアルデヒドは生体内では水と反応して速やかに水和物である抱水クロラールとなる。」(NITE初期リスク評価書 No.97(2005))との記載があるが、本物質の分類に際しては、評価書にトリクロロアセトアルデヒドを用いて試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NITE初期リスク評価書 No.97(2005)、NTP DB(Access on April 2006)、IARC 63(1995)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陽性、であることから「区分1B」とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC(2004)でGroup 3(CHLORAL AND CHLORAL HYDRATE)に分類されていることから、「区分外」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
環境省リスク評価第2巻(2003)、CICAD 25(2000)、IARC 63(1995)の記述から、親動物の一般状態についての記載はないが、次世代に学習能の障害がみられていることによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用) |
警告 危険 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) H370: 臓器の障害(呼吸器) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
実験動物については、「強い麻酔作用、クララ細胞空胞化、肺胞壊死、上皮剥離及び肺胞浮腫」(NITE初期リスク評価書 No.97(2005))等の記述があることから、麻酔作用をもち、呼吸器が標的臓器であると考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器)、区分3(麻酔作用)とした。 なお、「トリクロロアセトアルデヒドは生体内では水と反応して速やかに水和物である抱水クロラールとなる。」(NITE初期リスク評価書 No.97(2005))との記載があるが、本物質の分類に際しては、評価書にトリクロロアセトアルデヒドを用いて試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない なお、「トリクロロアセトアルデヒドは生体内では水と反応して速やかに水和物である抱水クロラールとなる。」(NITE初期リスク評価書 No.97(2005))との記載があるが、本物質の分類に際しては、評価書にトリクロロアセトアルデヒドを用いて試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=112mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2005)他から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度=30000mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 |
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