名称:テトラクロロイソフタロニトリル
CAS番号:1897-45-6
物質ID: | 437 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(IUCLID(2000))であるから、区分外に該当する。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(IUCLID(2000))であるから、区分外に該当する。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(IUCLID(2000))であるから、区分外に該当する。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点:252.1℃(農薬登録申請資料))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与試験でのLD50>10,000mg/kg(農薬登録申請資料(1973))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経皮投与試験でのLD50>10,000mg/kg(農薬登録申請資料(2004))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は考えられず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験でのLC50=0.1mg/L(4時間換算)(EHC183(1996))に基づき、区分2とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギでの皮膚刺激性試験において、塗布24時間後の観察で全例に軽度の発赤(2〜7日後に消失)、2.15g/kg以上ではほとんどの動物に軽度〜中等度の浮腫(1〜2日後に消失)という回復可能な軽度の刺激性が見られた(農薬登録申請資料(1973))が、貼布量が最低でも1.0g/匹と多く、貼布時間も24時間と長いため、分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギでの眼刺激性試験において、7日目まで継続する中等度の刺激性が見られた(農薬登録申請資料(1973))ことから、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いたHerber法(皮膚光感作性試験)での試験で、光感作性は陰性であったが、クロロタロニル原体のハートレイ由来モルモットにおける皮膚感作性試験は陽性であった。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vitro復帰変異試験で陰性(農薬登録申請資料(1983))、マウスでのin vivo小核試験で陰性(農薬登録申請資料(1985))、ラットおよびハムスターでのin vivo染色体異常試験でも陰性(農薬登録申請資料(1995))であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(1999)で2B、日本産業衛生学会で2Bに分類されていることから、区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット催奇形性試験において、親動物に体重増加抑制がある用量において、初期胚死亡の増加が見られている(農薬登録申請資料(1985))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 経口投与ではLD50が10,000mg/kg以上で顕著な毒性症状は見られていないが、吸入暴露でのLC50が0.1mg/Lであり、投与経路により毒性の程度が大きく異なると考えられる(農薬登録申請資料(1973))が、データ不足により分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの亜急性毒性試験において、区分1に該当するガイダンス値の範囲で刺激性に起因すると考えられる前胃の変化がみられているが、標的臓器を特定できるその他の所見が報告されていない(農薬登録申請資料(1988))、また、データが不足しているため分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=10.5μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)他から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=125(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |