名称:ダイオキシン類
CAS番号:
物質ID: | 430 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス6.1(国連番号2811(ICSC(2004))、その他の毒物、有機物、固体)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス6.1(国連番号2811(ICSC(2004))、その他の毒物、有機物、固体)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス6.1(国連番号2811(ICSC(2004))、その他の毒物、有機物、固体)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン)。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、塩素および酸素を含む有機化合物であるが、この塩素および酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃以上のものについては、固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点305-306℃、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン、ICSC(2004))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分1 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
テトラクロロジベンゾダイオキシンでは、ラットを用いた経口投与試験のLD50 0.022 mg/kg、0.045 mg/kg(PATTY(4th, 1999))に基づき、低い方の値 LD50 0.022mg/kgから、区分1となる。 2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシンでは、0.022 mg/kg、0.013 mg/kg、0.043 mg/kg、0.34 mg/kg(IARC 69(1997))に基づき、計算式を適用して得られた LD50 0.013mg/kg から、区分1となる。 これらのデータに基づき、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
テトラクロロジベンゾダイオキシンでは、ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 0.275 mg/kg(PATTY(4th,1999))とのデータがある。これに基づき、区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 なお、眼の局所毒性ではないが、2,3,3',4,4'-ペンタクロロビフェニルでは、ヒトの影響として「ほとんどの患者は、Yusho and Yu-Cheng症候群の急性期に、眼脂とひどい眼球への影響を示した。これらは、マイボーム腺の変化(拡大、炎症、チーズのような分泌物の過多)、結膜とまぶたが黒くなるといった影響を及ぼした。(Most patients showed eye discharge and other severe ocular effects during the acute phase of the Yusho and Yu-Cheng syndrome. These effects include meibomian gland changes(enlargement, inflammation, hypersecretion of cheese-like material)and dark-colored pigmentation of the conjunctivae and eyelids.)」との記述がある。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ATSDR(1998)、NTP DB(Access on August 2006)、EHC 88(1989)、IARC 69(1997)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(染色体異常試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性なし、であることから「区分2」とした。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ダイオキシン類の個別の化合物については既存分類があるが、ダイオキシン類を一括した既存分類はないため、専門家の判断に従い、分類できないとした。なお、ダイオキシン類のうち、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキ.シン:CAS 1746-01-6はIARC(1997)で1、NTP(2005)でKに分類されていることから区分1、1,2,3,7,8-ペンタクロロジベンゾジオキシン:CAS 40321-76-4はIARC(1997)で3に分類されていることから区分外、1,2,3,6,7,8-ヘキサクロロジベンゾジオキシン:CAS 57653-85-7及び1,2,3,7,8,9-ヘキサクロロジベンゾジオキシン:CAS 19408-74-3はいずれもIARC(1997)で3、EPA(1991)でB2に分類されていることから区分2/区分外となる。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 88(1989)、ATSDR(1998)、IARC 15(1977)の記述から、マウスの催奇形性試験において、親動物で一般毒性が示されない用量で児に口蓋裂がみられていることから、「区分1B」とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、神経系、心血管系、皮膚、皮膚付属器、肝臓、膀胱、腎臓、副腎、消化管、精巣、血液系、胸腺、視覚器、骨髄) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器、神経系、心血管系、皮膚、皮膚付属器、肝臓、膀胱、腎臓、副腎、消化管、精巣、血液系、胸腺、視覚器、骨髄) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「気管支炎と咽頭炎、出血性肺炎、末梢のニューロパチー、塩素ざ瘡」(ATSDR(1998))、「心筋障害」(EHC 88(1989))等の記述、実験動物については、「腎盂上皮の過形成、眼瞼炎、ざ瘡、顔面脱毛症、出血と壊死をともなう粘膜上皮の過形成で示される中程度から重度の回腸炎および腹膜炎」(ATSDR(1998))、「副腎の出血と副腎皮質の球状層における中程度の萎縮、精子形成上皮の変化、肝細胞変性を伴う中心静脈の鬱血、溶血および高蛋白血症、眼球突出および出血性網膜剥離をともなう後眼窩出血、骨髄の細胞減少および腎盂、尿管、膀胱の上皮細胞の過形成、手足指の爪の脱落、皮膚の角化亢進、リンパ球減少を伴う胸腺萎縮」(EHC 88(1989))等の記述があることから、呼吸器、神経系、心血管系、皮膚、皮膚付属器、肝臓、膀胱、腎臓、副腎、消化管、精巣、血液系、胸腺、視覚器、骨髄が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、神経系、心血管系、皮膚、皮膚付属器、肝臓、膀胱、腎臓、副腎、消化管、精巣、血液系、胸腺、視覚器、骨髄)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(皮膚、肝臓、膀胱、視覚器、神経系、聴覚器、呼吸器、血液系、消化管、腎臓、甲状腺、胸腺、卵巣、骨髄、副腎、膵臓、心血管系、脾臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(皮膚、肝臓、膀胱、視覚器、神経系、聴覚器、呼吸器、血液系、消化管、腎臓、甲状腺、胸腺、卵巣、骨髄、副腎、膵臓、心血管系、脾臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「塩素ざ瘡および神経学的症状、肝生検では穏やかな脂肪変性、門脈周囲線維化、出血性膀胱炎および限局性腎盂腎炎」(ATSDR 1998)、「眼症状の発現、四肢の痺れ、脱力感、筋肉の痙攣、難聴、慢性気管支炎」(EHC 88(1989))等の記述、実験動物については、「貧血、白血球減少症、卵巣萎縮、骨髄中の細胞数減少、肝臓の壊死、胆管過形成および浮腫、脾臓および胸腺の萎縮、消化管出血」(EHC 88(1998))、「副腎皮質の萎縮および過形成、心筋症、腸間膜動脈炎、腎症、甲状腺濾胞細胞の過形成、膵臓:慢性炎症」(NTP TR 521(2006))、等の記述があることから、皮膚、肝臓、膀胱、視覚器、神経系、聴覚器、呼吸器、血液系、消化管、腎臓、甲状腺、胸腺、卵巣、骨髄、副腎、膵臓、心血管系、脾臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分1(皮膚、肝臓、膀胱、視覚器、神経系、聴覚器、呼吸器、血液系、消化管、腎臓、甲状腺、胸腺、卵巣、骨髄、副腎、膵臓、心血管系、脾臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシンを用いた試験で、魚類(メダカ)の72時間LC50=0.0135μg/L(AQUIRE、2003)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がなく(底質を含む湖水中での半減期は550-590日(EHC88、1989))、生物蓄積性がある(ニジマスのBCF=86000(AQUIRE、2003))ことから、区分1とした。 |
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