GHS分類結果

名称:亜セレン酸
CAS番号:7783-00-8

結果:
物質ID: 429
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - ICSC(2004)では無水物(二酸化セレン、SeO2)を不燃性としている。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - ICSC(2004)では無水物(二酸化セレン、SeO2)を不燃性としている。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - ICSC(2004)では無水物(二酸化セレン、SeO2)を不燃性としている。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水溶解度167g/100cc(20℃)、HSDB(2006))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データ不足のため、分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
EHC 58(1986)のヒトへの影響の記述において、「汗などにより融解した亜セレン酸にて、皮膚火傷等を引き起こす。」との報告が得られたため、その程度は不明だが、皮膚腐食性があると考えられることから、区分1A-1Cとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ICSC(J)(2000)のヒトへの影響についての記述にて「眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。」との報告が得られていることから、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。 健康有害性については、【ID1063、亜セレン酸ナトリウム、CAS:10102-18-8】も参照のこと。
6 発がん性 区分外 - - - - EPA(1993)でD、IARC(1987)でGroup 3(SELENIUM AND SELENIUM COMPOUNDS)に分類されていることから、「区分外」とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - CERIハザードデータ集2001-39A(2002)の記述から、ラット、マウス、ウサギ、ハムスター、ウサギ、カニクイザルを用いた催奇形性試験において、親動物での毒性発現量以下での奇形発生はないとする報告があるが、生殖毒性に関する情報はないため、「分類できない」とした。 健康有害性については、【ID1063、亜セレン酸ナトリウム、CAS:10102-18-8】も参照のこと。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない なお、無機セレンのヒトへの急性影響として、「臨床所見では、嘔吐、下痢、努力呼吸、脱力、不安定歩行、昏睡など、組織学的所見では、肺水腫、肝壊死、骨格筋変性、尿細管水滴様変性、心筋ミトコンドリアの腫脹と破裂などがある」(PATTY(4th, 2000))との記載がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系)、区分2(呼吸器、肝臓) 警告
危険
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系)
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器、肝臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトについては、「嘔吐、眩暈、嗅覚の鈍麻」(CERIハザードデータ集 2001-39A(2002))、「鼻過敏症、持続性のにんにく臭、神経過敏症、組織損傷、肝臓障害」(ICSC(J)(2000))等の記述より、標的臓器は神経系、呼吸器、肝臓と考えられた。なお、呼吸器、肝臓への影響はPriority 2からの引用である。 以上より、分類は区分1(神経系)、区分2(呼吸器、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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