GHS分類結果

名称:O-エチル=O-(6-ニトロ-m-トリル)=sec-ブチルホスホルアミドチオアート
CAS番号:36335-67-8

結果:
物質ID: 358
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 化学構造にニトロ基を含み、酸素収支の計算値が-156である。約230℃から分解(農薬登録申請資料)するが、分解エネルギーのデータがなく分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 分類できない - - - - データなし。なお、引火点が約192℃との報告(住友化学(1984))もあり、この場合区分外に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 化学構造に、爆発性に関わる原子団としてニトロ基を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、区分外に該当する。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水溶解度6.19mg/L(25℃)(農薬登録申請資料))。
13 酸化性液体 分類できない - - - - 塩素およびフッ素を含まず、炭素・水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口投与でのLD50=630mg/kg(農薬登録申請資料(1981))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮投与でのLD50>5000mg/kg(農薬登録申請資料(1981))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラット吸入暴露での試験において、最高用量が1.2mg/Lで死亡例なしとのデータはあるが(農薬登録申請資料(1983))、区分を特定できないため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギでの皮膚刺激性試験において、刺激性なしとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1981))、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギでの眼刺激性試験において、刺激性なしとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1981))、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットによる皮膚感作性試験において、感作性なしとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1981))、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験(農薬登録申請資料(1981))および染色体異常試験(農薬登録申請資料(1989))、マウス骨髄細胞でのin vivo小核試験(農薬登録申請資料(1989))において、全て陰性とのデータがあることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット24ヶ月およびマウス18ヶ月の発がん性試験において、試験物質投与に関連した腫瘍の発生がなかったとのデータがあることから(農薬登録申請資料(1981))、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット3世代繁殖性試験(農薬登録申請資料(1981))、ラットおよびウサギでの催奇形性試験(農薬登録申請資料(1981、1989))において、繁殖性や仔動物への影響なしとのデータがあることから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットでの試験において、自発運動減少、呼吸異常、立毛、過敏、流涎、流涙、眼球突出、筋攣縮、四肢または全身性運動失調とのデータがある(農薬登録申請資料(1981))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられたことから、区分2(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットおよびマウスでの亜急性毒性試験(農薬登録申請資料(1981、1985))において、コリンエステラーゼ活性阻害、体重増加の抑制が報告されているが、試験が行われた用量ではそれ以外の一般症状や病理学的所見が得られていないため、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(緑藻)の72時間EbC50=17μg/L(農薬登録申請資料、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4.62(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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