GHS分類結果

名称:2,2'-アゾビスイソブチロニトリル
CAS番号:78-67-1

結果:
物質ID: 335
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 化学構造に、酸素を含まない爆発性に関わる原子団として、隣接した窒素原子を含む。また、Bretherick(J)(5th,1998)による分解熱は1.3kJ/g、災害の研究(2002)によるSADTは50℃であり、これらデータからは火薬類から除外されないが、分類はデータがなくできない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分4.1(国連番号3234)。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 タイプC 危険 H242: 熱すると火災のおそれ P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P234: 他の容器に移し替えないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P411: ...℃以下の温度で保管すること。
P420: 他の物質から離して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
火薬類では区分外、酸化性固体と有機過酸化物では分類対象外であり、Bretherick(J)(5th,1998)による分解熱は1.3kJ/g、災害の研究(2002)によるSADTは50℃であるので、自己反応性化学品に該当する。タイプの分類はデータがないので、国連危険物輸送勧告が、自己反応性物質C(固体)(温度管理が必要なもの)クラス・区分4.1容器:等級なし(国連番号3234)であることから、「タイプC」とした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点105℃(HSDB,2005))、試験温度140℃)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験のLD50 100mg/kg(SIDS(2002))から区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - OECDテストガイドライン404に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験結果(SIDS(2002))、及びヒトへの健康影響データ(SIDS(2002))で「陰性」であったことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - ウサギを用いた眼刺激性試験の結果(SIDS(2002))「陰性」から、区分外と考えられるが、データ不足のため分類できないとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 動物試験の結果(SIDS(2002))、及びヒトへの健康影響データ(SIDS(2002))ともに「陰性」から区分外と考えられるが、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - CERIハザードデータ集2001-45(2002)の記述から、経世代変異原性試験及び生殖細胞in vivo変異原性試験のデータがなく、体細胞in vivo変異原性試験が陰性結果であることから区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
CERIハザードデータ集2001-45(2002)の記述から、母動物の一般毒性がみられた用量で母動物に哺育行動の異常と新生児の死亡がみられたことから区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肝臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
実験動物に対する影響は「小葉中心性肝細胞肥大」(厚労省報告(1997))の記載があることから肝臓が標的臓器と考えられた。なお実験動物での肝への影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲内で見られた事から、分類は区分2(肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 藻類(セレナストラム)の72時間ErC50>7.8mg/L(環境省生態影響試験、1996)より、助剤使用上限濃度において当該毒性は発現しないことから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性で助剤使用上限濃度までの濃度で急性毒性が報告されておらず、急速分解性がないものの(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=1.1(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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