GHS分類結果

名称:2-(4-ブロモジフルオロメトキシフェニル)-2-メチルプロピル=3-フェノキシベンジルエーテル
CAS番号:111872-58-3

結果:
物質ID: 331
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点が272℃(農薬登録申請資料)であることから、区分外である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、常温の空気と接触しても自然発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 熱に対して150℃まで安定(農薬登録申請資料)であることから、区分外に該当する。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 塩素を含まず、フッ素および酸素を含む有機化合物であるが、このフッ素および酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口投与でのLD50=132mg/kg(農薬登録申請資料(1993))に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮投与での試験で、最高用量の2000mg/kgで死亡例がない(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット吸入暴露でのLC50=0.36mg/L(農薬登録申請資料(1993))に基づき、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギによる皮膚刺激性試験において、極軽度の刺激性は見られたが、Draize scoreが0.05で48時間以内に回復している(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギでの眼刺激性試験において、適用直後に極軽度の刺激性が見られたが、24時間目のDraize scoreは0.2であり、48時間以内に消失したため(農薬登録申請資料(1993))刺激性は無いと判断し、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットでの皮膚感作性試験において、感作性なしとの報告がある(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitroでは復帰変異試験、DNA修復試験、染色体異常試験で全て陰性との報告があるが(農薬登録申請資料(1993))、in vivo試験のデータがないため、分類できないとした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット24ヶ月およびマウスでの18ヶ月発がん性試験において、試験物質の投与に関連した腫瘍の発生がなかったとの報告がある(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット2世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、繁殖性や仔動物への影響がないとの報告がある(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットでの試験において、異常姿勢、異常歩行、振せんが見られたとの報告がある(農薬登録申請資料(1993))ことから、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られたことから、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、血液系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、血液系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
動物実験において、痙攣、貧血を伴う造血亢進が見られていることから、神経器、血液系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた(農薬登録申請資料(1993))ことから、区分1(神経系、血液系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(コイ)の96時間LC50=0.0035ppm(農薬登録申請資料、1993)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4.1(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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