GHS分類結果

名称:N-メチルカルバミン酸3,5-ジメチルフェニル
CAS番号:2655-14-3

結果:
物質ID: 320
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点100.9〜101.3℃(農薬登録申請資料(1999))、試験温度140℃)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 塩素およびフッ素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 融点が55℃以上のものについては固体状の物質に適した試験方法が確立していないので分類できない(融点100.9-101.3℃(農薬登録申請資料(1999)))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口投与でのLD50=542mg/kg(農薬登録申請資料(2004))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮投与でのLD50が5000mg/kg以上である(農薬登録申請資料(2004))ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラット吸入暴露での試験において、LC50が1.02mg/L以上との報告があるが(農薬登録申請資料(2004))、急性毒性値を確定できないため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギによる皮膚刺激性試験において、刺激性なしとの報告がある(農薬登録申請資料)ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギによる眼刺激性試験において、極軽微な刺激性反応が見られたが、Draize scoreの平均が全て1以下であり、7日目までに消失している(農薬登録申請資料(2004))ことから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットでのMaximization法による皮膚感作性試験において、感作性なしとの報告がある(農薬登録申請資料(2002))ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vitro復帰変異試験およびDNA修復試験で陰性、in vitro染色体異常試験で陽性、マウスおよびラットでのin vivo小核試験で陰性(農薬登録申請資料(2004))であることから、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - ラット24ヶ月発がん性試験では腫瘍の発生は見られなかったが、マウス発がん性試験で雌のみにわずかな肝細胞腫瘍の増加が認められたとの報告はあるが(農薬登録申請資料(2004))、既存分類がないため分類できないとした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット3世代繁殖性試験、ラットおよびウサギでの催奇形性試験において、生殖性や胎児への影響なしとの報告がある(農薬登録申請資料(2004))ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットでの試験において、自発運動の低下、歩行困難、振せん、流涎、自発運動の低下、眼瞼下垂、うずくまりがみられたとの報告があり(農薬登録申請資料(2004))、神経系が標的と考えられた。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られたことから、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットおよびマウスでの90日間亜急性毒性試験のデータがあるが、試験物質投与に関連した明確な所見が報告されていない(農薬登録申請資料(2004))ことから、データ不足により分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.0301mg/L(農薬登録申請資料)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=2.5(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:1%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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