GHS分類結果

名称:シアン化銅(I)
CAS番号:544-92-3

結果:
物質ID: 273
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2006)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2006)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2006)。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水に実質的に不溶、Merck(13th,2001))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、またはハロゲンを含まない無機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験 のLD50 1,265 mg/kg(RTECS(2006)に基づき区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
日本職業・環境アレルギー学会は銅を、また、日本産業衛生学会は皮膚感作性物質第2群に銅(当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与する全ての物質が同定されているわけではない)を皮膚感作性物質に指定している。本化合物はこの分類定義に該当するため、皮膚感作性に関する動物試験結果及び疫学事例の報告はないが、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。 【注記】健康有害性については、ID850、銅、CAS:7440-50-8 も参照のこと。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。 【注記】健康有害性については、ID850、銅、CAS:7440-50-8 も参照のこと。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。 【注記】健康有害性については、ID850、銅、CAS:7440-50-8 も参照のこと。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、呼吸器)、区分2(腎臓、脾臓、肝臓、血液系) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、脾臓、肝臓、血液系)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、呼吸器)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトについては、「頭痛、脱力感、味覚嗅覚変化、めまい、咽頭刺激、嘔吐、呼吸困難、流涙、流涎、前胸部痛」(CICAD 61(2004))、「中枢神経系が最も感受性が高い臓器、呼吸の抑制」(HSDB(2003))等の記述があり、実験動物では「振戦、痙攣、努力性呼吸」(CICAD 61(2004))、「腎臓近位尿細管上皮細胞細胞質内へのヘモグロビン沈着、脾臓及び肝臓への顆粒沈着、造血組織の過形成、溶血性貧血」(IRIS(1987))等の記述があることから、中枢神経系、呼吸器、腎臓、脾臓、肝臓、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、呼吸器)、区分2(腎臓、脾臓、肝臓、血液系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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