名称:タリウム
CAS番号:7440-28-0
物質ID: | 233 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 塊状の金属は燃焼しないと考えられるが、金属粉末は容易に燃焼する。対象物について規定の試験を行って分類すべきである。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性および自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 信頼できる物理化学性データ集に、自然発火するという情報はない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 粉末の場合、自己発熱に関する試験データが見出せず、分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に溶けないという記載があり、激しい反応は起こさないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、塩素、フッ素を含まない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機元素。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体に対する試験方法が確立されていない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | 金属タリウムについてのLD50データはないので、分類できない。この金属は空気と触れると表面が酸化する。酸化物のLD50には32mg/kg(EHC 39(1984))というデータがあり、粉末に対しては区分2レベルの警告が妥当と考えられる。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | (GHSの定義による)固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | 蒸気についての急性吸入毒性試験結果がなく、分類できない。不揮発性の金属であり、蒸気での吸入試験は行えないと考えられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 動物でのドレーズ試験データがなく、分類できない。化合物については、ヒトの中毒時に皮膚に激しい影響が出ている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 眼への投与による反応のデータがなく、分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 感作性に関わる情報がなく、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 感作性に関わる情報がなく、分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
炭酸タリウムを用いた、ラットの優性致死試験で陽性とされている(EHC 39(1984))ので「区分1B]とした。金属タリウムは空気中の酸素、二酸化炭素により炭酸タリウムに変化する可能性がある。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 金属タリウムについての情報はない。化合物についてはEPAがDに分類してる。また腫瘍抑制作用があるとの情報(EHC 39(1984))もある。他方、Lide(2004)には発がん性を示唆する記載がある。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 | 危険 |
H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ H362: 授乳中の子に害を及ぼすおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P263: 妊娠中/授乳期中は接触を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
タリウム化合物の摂取が経胎盤性の脱毛症を起こしたヒトの事例がある(ACGIH(2001))ので「区分1A]とした。動物実験では精子への影響、新生児の軟骨発育不全、および授乳を経由しての乳児の脱毛も報告されている(ACGIH(2001), EHC 39(1984))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(消化器系、神経系、皮膚(付属器)) | 危険 | H370: 臓器の障害(消化器系、神経系、皮膚{付属器}) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
胃腸炎、多発性神経障害、脱毛が主要なタリウム中毒の症状とされている(EHC 39(1984))ので「区分1(消化器系、神経系、皮膚(付属器))」とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(循環器系、脳・神経系、皮膚(付属器)) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(循環器系、脳・神経系、皮膚{付属器}) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(2002)の記載により、循環器系、神経系および脱毛を採ったが、動物実験で脳への影響が述べられていることから「区分1(循環器系、脳・神経系、付属器))」とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく、分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分4 | - | - | H413: 長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
L(E)C50≦100mg/Lデータが存在するものの、金属であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。 |
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