名称:四ホウ酸ナトリウム(10水和物)
CAS番号:1303-96-4
物質ID: | 198 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度5.1g/100mL(20℃)、ICSC(1999))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラットを用いた経口投与試験のLD50 3,493 mg/kg、4,500 mg/kg、4,980 mg/kg、5,660 mg/kg、6,080 mg/kg(EHC 204(1998))、6,000 mg/kg(ECETOC TR63(1995))に基づき、計算式を適用して得られたLD50 4450 mg/kgから、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 >10,000 mg/kg(HSDB(2005))から、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
PATTY(4th, 2000)、ECETOC TR63(1995)の4時間暴露試験ではないが、動物を用いた皮膚刺激性試験結果の記述「軽度から中等度の皮膚刺激性を示す」等及び、ACGIH(7th, 2001)のヒトへの健康影響の記述「ホウ砂暴露により、皮膚炎がみられた」から、区分2-3とした。安全性の観点から、2とした方が望ましい。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ECETOC TR63(1995)、ATSDR(1992)のウサギ、ラットを用いた眼刺激性試験結果の記述「結膜白濁、結膜肥厚、結膜が水疱になる。8-21日間で回復する角膜刺激」「眼の炎症」及びECETOC TR63(1995)のヒトの事例で、その程度は不明だが、眼刺激が見られたことから、区分2A-2Bとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、2Aとした方が望ましい。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | EHC 204(1998)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo変異原性試験なし、生殖細胞/体細胞in vivo遺伝毒性試験なし、in vitro変異原性試験で複数指標の(強)陽性結果なし、であることから「分類できない」とした。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIH(2005)でA4(Borates compounds, Inorganic [1330-43-4; 1303-96-4; 10043-35-3; 12179-04-3])に分類されていることから、「区分外」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ATSDR(1992)の記述から、一般毒性の記述はないが、精子形成に異常がみられていることによる。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(腎臓、神経系、呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(腎臓、神経系、呼吸器) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「腎臓障害、中枢神経系の抑制、血管虚脱」(ACGIH(7th, 2001))、「呼吸器疾患、肺疾患、胸部X線映像の異常、呼吸器への刺激性」(ACGIH(7th, 2001))があることから、腎臓、神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分1(腎臓、神経系、呼吸器)とした。 ※:「生理的pHでの希釈水溶液においては、無機ホウ酸塩はホウ酸として存在する」(PATTY(4th, 2000))より、四ホウ酸ナトリウム(ID: 0197)、ホウ酸(ID: 0491)の分類結果を参照のこと。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、腎臓、呼吸器)、区分2(精巣) |
危険 警告 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(精巣) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、腎臓、呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「全身及び局所的な交差性運動発作、易刺激性、尿細管の混濁腫脹や顆粒変性」(EHC 204(1998))、「呼吸器疾患、肺疾患、胸部X線映像の異常、慢性気管支炎」(ACGIH(7th, 2001))等の記述、実験動物については、「精巣全体の萎縮」(ATSDR(1992))等の記述があることから、神経系、腎臓、呼吸器、精巣が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、腎臓、呼吸器)、区分2(精巣)とした。 ※:「生理的pHでの希釈水溶液においては、無機ホウ酸塩はホウ酸として存在する」(PATTY(4th, 2000))より、四ホウ酸ナトリウム(ID: 0197)、ホウ酸(ID: 0491)の分類結果を参照のこと。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(ゼブラフィッシュ)の96時間LC50=14.2mg boron/L(EHC204、1998)(四ホウ酸ナトリウム(10水和物(濃度換算値:501.0mg/L)から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度=5930mg/L(HSDB、2004))、急性毒性が低いことから、区分外とした。 |
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