GHS分類結果

名称:トリクロロフルオロメタン
CAS番号:75-69-4

結果:
物質ID: 162
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(2002)ほか)
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(2002)ほか)
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性である。(ICSC(J)(2002)ほか)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内にフッ素および塩素を含むが、それらは何れも炭素以外の元素と化学結合していない。また酸素を含んでいない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 水分の存在下で金属を侵すとの情報があるが(溶剤ハンドブック(1994))、規定試験法によるデータなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットにおける概略の致死量:3725mg/kg(ACGIH 7th, 2001)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - - ラットLC50(4時間)値:26200ppm(換算値146.9mg/L)(CERIハザードデータ集, 1999、産衛学会勧告, 1993)に基づき、区分外とした。26200ppmは蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断でき、ppm濃度基準値で分類した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - CERIハザードデータ集(1999)およびACGIH(7th, 2001)のラットおよびウサギの皮膚への適用により一過性の軽度の刺激性を示したが損傷はみられなかったとの記述から、刺激性の判定基準には該当しないと判断し、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - CERIハザードデータ集(1999)およびACGIH(7th, 2001)のラットおよびウサギの眼への適用により一過性の軽度の刺激性を示したが損傷はみられなかったとの記述、ならびにDFGOT(vol.1, 1991)のウサギの眼への適用により結膜の軽度な炎症が認められたが角膜および虹彩に変化は認められなかったとの記述から、刺激性の判定基準には該当しないと判断し、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - EHC 113(1990)にヒトでのパッチテストで陽性反応が認められたとの記述があるが、他に症例報告がなく、皮膚感作性の判定基準には該当しないことから、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 体細胞を用いるin vivo遺伝毒性試験であるラットを用いた不定期DNA合成試験で陰性の結果(CERIハザードデータ集, 1999)があるが、他にin vivo試験のデータはなく、分類できないとした。
6 発がん性 区分外 - - - - ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
DFGOT(vol.1, 1991)のラットおよびウサギを用いた妊娠中吸入暴露試験において親動物に一般毒性が認められる用量でのみ胚・胎児死亡の増加および子の奇形発現率増加が認められたことから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(心臓)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) 危険
警告
H370: 臓器の障害(心臓)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
CERIハザードデータ集(1999)、ACGIH(7th, 2001)、EHC 113(1990)、産衛学会勧告(1993)、DFGOT(vol.1, 1991)にヒト暴露例で麻酔作用、呼吸器への刺激性および心臓への影響が認められたとの記述があり、動物実験でも麻酔作用、気道刺激性および心臓への影響が認められていることから、区分1(心臓)および区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - CERIハザードデータ集(1999)、ACGIH(7th, 2001)、産衛学会勧告(1993)、PATTY(4th, 1994)、EHC 113(1990)、DFGOT(vol.1, 1991)の実験動物を用いた反復吸入暴露または経口投与試験において区分2のガイダンス値範囲を超える高用量でも重大な毒性は認められていないとの記述、ならびにCERIハザードデータ集(1999)、EHC 113(1990)、DFGOT(vol.1, 1991)、PATTY(4th, 1994)およびACGIH(7th, 2001)のヒトを対象とした2-4週間暴露試験で重大な毒性は認められなかったとの記述から、区分外とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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