名称:テトラクロロエチレン
CAS番号:127-18-4
物質ID: | 155 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2000)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 化学構造に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1897)であることから「区分外」とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2000)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2000)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1897)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与試験のLD50 13,000 mg/kg(EHC 31(1984))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | マウスを用いた経皮投与試験のLD50=5,000 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、区分した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定できず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた吸入暴露試験(蒸気)LC50 27.8 mg/L((EHC 31(1984))に基づき、計算式を適用し、LC50(4時間換算値)の5020ppmが得られた。飽和蒸気圧1.87kPa(20℃)(CERIハザードデータ集96-11(1997)における飽和蒸気圧濃度は18500 ppmである、今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの疫学事例及びCERI・NITE有害性評価書 No.65(2005)の記述「ウサギを用い皮膚刺激性た試験で、壊死を伴う強度の刺激性がみられた」から、区分1としたが、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.65(2005)の記述「ウサギを用いた眼刺激性試験の結果、中等度の刺激性がみられた」から、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書 No.65(2005)、ATSDR(1997)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陰性であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でR、IARC(1995)で2Aに分類されていることから、区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.65(2005)、ACGIH(7th, 2001)、ATSDR(1997)、NICNAS(2001)の記述から、マウス及びラット胎児の発生への影響がみられていることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器、肝臓)、区分3(麻酔作用) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(神経系、呼吸器、肝臓) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「悪心、おくび、頭痛、眩暈、不快感、極度の疲労感、身体虚弱、眠気、発汗、血圧低下、激しい悪寒、反射消失、筋弛緩、視覚障害、浅呼吸等中枢神経系の障害などの影響、肺水腫」(CERI・NITE有害性評価書 No.65(2005))、実験動物については、「肝臓の脂肪変性」(EHC 31(1984))等の記述があることから、神経系、呼吸器、肝臓が標的臓器であり、麻酔作用をもつと考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器、肝臓)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肝臓、呼吸器、腎臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肝臓、呼吸器、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「感覚運動反応、知覚スピード、注意深さ、記憶、集中といった神経心理学的機能の重大な障害、刺針感覚の障害、手足のしびれ、リウマチ性の痛み、体のふらつき、悪心といった自律神経障害の徴候、情緒不安定のようなパーソナリティ構造の変化」、「不規則排便、便秘、下痢、性欲減退、アルコール不耐性、歩行及び会話障害、指の硬直、発熱発作、肝障害、肝硬変、肝腫大、肺水腫、呼吸困難」(CERI・NITE有害性評価書No.65(2005))、実験動物については、「腎臓の尿細管上皮細胞の核肥大、肝細胞の空胞変性、壊死、炎症性細胞浸潤、尿円柱、ネフローゼ」、「筋緊張低下、痙れん、不穏、昏睡及び反射の消失、ALT の増加、トリグリセライドの増加、肝臓の脂肪変性、BSP(ブロモスルファレイン)の貯留(腎排泄の低下)、振戦、中枢神経系の機能低下」(CERI・NITE有害性評価書No.65(2005))等の記述があることから、神経系、肝臓、呼吸器、腎臓が標的臓器と考えられた。実験動物での影響については、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、肝臓、呼吸器、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 区分2 | 警告 | H305: 飲み込んで気道に侵入すると有害のおそれ |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P331: 無理に吐かせないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(J)2003より、短期暴露の影響:液体を飲み込むと誤嚥により化学性肺炎を起こす危険性がある、との記載があるので区分2と分類した。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.602mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2005)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=77.1(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:11%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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