GHS分類結果

名称:1,3-ジチオラン-2-イリデンマロン酸ジイソプロピル
CAS番号:50512-35-1

結果:
物質ID: 142
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 用途が農薬であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含んでいるが、炭素以外の元素と化学結合していない有機化合物。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット経口LD50値(雄1190mg/kg:農薬登録申請資料、2001)より、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット経皮LD50値(>10250mg/kg:農薬登録申請資料、2001)より、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラット吸入(粉塵・ミスト)LC50値(>2.77mg/L:農薬登録申請資料、2001)より、区分4とした。なお、LC50値は特定されていないが、区分4は1.0<区分4=<5.0mg/Lの範囲にあり、安全サイドをとった。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギ皮膚刺激性試験において刺激性変化がみられなかった(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギ眼刺激性試験において可逆的な軽度刺激性がみられた(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモット感作性試験(Mixmization法)において感作性反応が認められなかった(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウス骨髄小核試験で陰性であった(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分外とした。なお、in vitro 復帰突然変異試験及びin vitro染色体異常試験も陰性であった。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットの発がん性試験において雄の最高用量3000ppmで皮膚角化棘細胞腫が増加したが、過形成病変の増加が認められないこと、発現時期に対照群と差がないこと、良性のもので雌では増加しなかったことから、本物質の一次的作用によるものではないと判断された(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分外とした。なお、残留農薬安全性評価委員会でヒトへの発がん性はないと結論された。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラット繁殖試験およびウサギ催奇形性試験において、生殖毒性・催奇形性が認められなかった(農薬登録申請資料、2001)ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットあるいはマウスの3ヶ月間飼料混入投与による亜急性毒性試験において、両動物種ともに4000ppm(200mg/kg/day以上)にて肝重量の増加がみられた(農薬登録申請資料、2001)。認められた所見は区分2のガイダンス値の範囲外であったことから、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ニジマス)の96時間LC50=8100μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=2.88(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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