名称:2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン
CAS番号:306-83-2
物質ID: | 132 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性、引火点なし(非危険物)(溶剤ポケットブック(1997))。Limits of flammability: Nonflammable(PATTY(5th, 2001)) |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性、引火点なし(非危険物)(溶剤ポケットブック(1997))。Limits of flammability: Nonflammable(PATTY(5th, 2001)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性、引火点なし(非危険物)(溶剤ポケットブック(1997))。Limits of flammability: Nonflammable(PATTY(5th, 2001)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素を含まず、分子内のフッ素または塩素はすべて炭素と化学結合している。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 沸点が27.6℃(NICNAS(1996))と55℃以下であり、気体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットで最小致死量が9000 mg/kgと推定される(NICNAS(1999))ことから、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびウサギとも2000 mg/kgで死亡が認められていない(NICNAS(1999))ことから区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義により液体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラット LC50(4時間ばく露値)= 35000, 32000 ppm(NICNAS(1999))。いずれのLC50値も区分4のカットオフ値を大幅に上回る(6〜7倍)ため、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | OECDガイドラインに準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、紅斑、浮腫の発生はなく皮膚刺激性は認められていない(NICNAS(1999))ので区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギの眼に本物質の原液あるいは50%溶液適用により、主に軽度から中等度の結膜刺激、軽度の角膜混濁が観察されている(NICNAS(1999))が、3〜7日以内に完全に回復したとの記述(EHC 123(1992))に基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験において、感作処置後の皮内注射による惹起でアレルギー反応を示さず皮膚感作性が認められていない(NICNAS(1999))ので区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットのリンパ球を用いた染色体異常試験とマウス赤血球を用いた小核試験(いずれも in vivo変異原性試験)において、陰性結果が得られていることにより区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットに対する2年間吸入試験により、暴露に起因すると考えられる悪性腫瘍の発生はなかったが、肝細胞腺腫、胆管線維腫、ライディッヒ細胞腺腫、膵の腺房細胞腺腫の有意あるいは用量依存的な増加が認められた(NICNAS(1999))。しかし、DFGによる分類(3B)を除き、他の評価機関の分類がなされていないので「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびウサギに器官形成期暴露による児の生存・発生に及ぼす影響はなく(NICNAS(1999)、ECETOC JACC(2005))、ラットの2世代(F0の交配前から妊娠期間と授乳期間、F1の交配前から妊娠期間と授乳期間)にわたる暴露による性機能・生殖能にも影響は見られてない(NICNAS(1999))。また、ラットおよびサルに主に分娩前後暴露により、乳汁あるいは新生児血中に代謝物が検出されるものの授乳に対する影響も見られていない(NICNAS(1999))。以上より、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経、肝)、区分2(心臓) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(中枢神経、肝) H371: 臓器の障害のおそれ(心臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
工業用冷却機が破裂し本物質の暴露を受けた40人の労働者に眩暈や頭痛など中枢症状が報告されている(NICNAS(1999))。また、ドライクリーニングに従事する労働者が本物質を含む溶剤の暴露を受け肝機能検査値が上昇し、急性肝炎を発症した(ウイルス感染は否定されている)との報告(ECETOC JACC(2005))がある。これらの事実に基づき区分1(中枢神経、肝)とした。なお、肝への影響はモルモットの吸入単回暴露でも肝機能検査値上昇と肝の変性と壊死が観察されている(NICNAS(1999))。 一方、フルオロカーボンを暴露されたヒトに冠状動脈疾患が発症した報告例(HSDB(2003))があり、ICSC(1998)にも短期暴露の影響として心臓障害が記述されている。イヌでは本物質の暴露により心臓にアドレナリン過敏症を起こすとの試験結果も得られている(NICNAS(1999))。以上の事実に基づき区分2(心臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
職業的に反復暴露を受け、肝機能検査値の上昇あるいは肝障害に至った複数のヒトの報告(NICNAS(1999)、ECETOC JACC(2005))に基づき、区分1(肝)とした。なお、動物に2〜13週間反復投与した場合にも肝への毒性影響が認められている(NICNAS(1999))が、ガイダンス値の範囲を超える高濃度の暴露に限られている。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=17mg/L(CICAD23、2000)他から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=36(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:6%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。 |
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