GHS分類結果

名称:ジクロロジフルオロメタン
CAS番号:75-71-8

結果:
物質ID: 131
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 国連勧告でclass2.2(非引火性、非毒性ガス)である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 国連勧告で副次危険に5.1(酸化性)が付いていない。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度が65℃を超えているので低圧液化ガス。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - ラットで1000mg/kg以上で致死(EHC113(1990),(CERIハザードデータ集(1998))という情報があるが、区分4の2000mg/kgを超えるか超えないか分からないので分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分外 - - - - ラット吸入暴露でLC50:>800000ppm/0.5h(4時間換算値:>282842ppm)(CERIハザードデータ集(1998))の値は12500ppm(気体 5000ppm(区分4)*2.5)を遙かに超えているので区分外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - 「わずかな刺激がある」(slight irritation)(CERIハザードデータ集(1998))(EHC 113(1990))及び、刺激がない(DFGOT 5th(1993))という情報により区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギで軽度の障害があるが、翌日に回復しているという情報と(CERIハザードデータ集(1998))、ウサギで刺激が見られない(ACGIH(2001))とする情報があるので区分外とした。
4 呼吸器感作性 区分外 - - - - 呼吸器感作性は動物試験で異常が見られない(DFGOT 5th(1993))ので区分外とした。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - ヒトへの影響で皮膚感作性が示唆されている(CERIハザードデータ集(1998))とあるが、データ不足で分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - in vivoでラットの優性致死試験でnegativeとなっている(EHC 113(1990))(CERIハザードデータ集(1998))ので区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - 分類機関であるACGIHでA4であり、また動物実験において発ガン性の証拠は見いだせない(EHC 113(1990), DFGOT,5th(1993))、腫瘍発生率の増大はみられていないという報告(CERIハザードデータ集(1998))があるので区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットの「三世代試験で妊娠率、出産率、新生児の生存率に異常はみられていない」という試験結果、及びラット及びラビットの「胎児毒性及び催奇形性はみられていない」「胎児毒性、催奇形性はみられず、新生児でも毒性はみられていない」(CERIハザードデータ集(1998), EHC 113(1990), DFGOT 5th(1993))という試験結果により区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - ラットで攣縮、振戦、反射の消失、角膜反射の消失がみられたが、暴露終了後に回復している。いずれの値もガイダンス値を遙かに超えている。ヒトでは高濃度で全身に対する影響が記載されているが、文献により記載がまちまちであり(CERIハザードデータ集(1998)、DFGOT 5th,(1993), PATTY(5th,2005)、EHS113(1990))、特定の作用を挙げることができず分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの職業暴露で神経系の障害がみられる(CERIハザードデータ集(1998))ので区分1とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHS定義による気体。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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