名称:1,2-ジクロロエタン
CAS番号:107-06-2
物質ID: | 126 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ICSC(1999)による引火点は13℃(密閉式)、かつ沸点は83.5℃であり、「区分2」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス3およびクラス・区分6.1(国連番号1184)。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点413℃(ICSC,1999))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス3およびクラス・区分6.1(国連番号1184)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 680 mg/kg(EHC 62(1987))、850 mg/kg(EHC 62(1987))、967 mg/kg(SIDS(2002))に基づき、計算式を適用して得られたLD50=695 mg/kgから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分5 | - | 警告 | H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 4,890 mg/kg(SIDS(2002))に基づき、区分5とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験(蒸気)LC50 4 mg/L(6時間)(EHC 62(1987))、6.6 mg/L(7.25時間)(EHC 62(1987))、3.29 mg/L(10時間)(SIDS(2002))、6.77 mg/L(6時間)(SIDS(2002))に基づき、計算式を適用し、LC50(4時間換算値)の1000 ppmが得られた。飽和蒸気圧8.13kPa(20℃)(CERIハザードデータ集96-20(1997))における飽和蒸気圧濃度は80500 ppmである。今回用いたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004)のウサギを用いた皮膚刺激性試験結果の記述「中等度の刺激がみられた」から、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004)のヒトの疫学事例及びウサギを用いた眼刺激性試験結果の記述「ドレイズ法によって、軽度の刺激性がみられた」から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
SIDS(2004)、IARC 71(1999)、CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004)、EHC 176(1995)の記述から、経世代変異原性試験(優性致死試験)で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(マウススポット試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、技術上の指針(Appendix 1)に従い「区分2」とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(1999)で2B、IRIS(2005)でB2、NTP(2005)でRに分類されていることから区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004)の記述から、マウスの生殖毒性試験、ラットの一世代試験、ラット、ウサギの催奇形性試験で、胎児に影響はみられていないことから、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓、副腎)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(中枢神経系、肝臓、腎臓、副腎) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「うずくまり、混迷、ふらつき、多動、振戦、傾眠傾向、意識混濁、昏睡、出血傾向、チアノーゼ、肝臓壊死、尿細管壊死、副腎壊死、循環器障害」(CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004))等の記載があることから、中枢神経系、肝臓、腎臓、副腎が標的臓器と考えられ、麻酔作用がみられた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓、副腎)、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肝臓、甲状腺)、区分2(腎臓) |
警告 危険 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肝臓、甲状腺) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「神経症、脊髄神経根炎、肝・胆管疾患、自律神経失調症、甲状腺腫或いは甲状腺機能亢進症、無力症」(CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004))等の記載があり、実験動物については、「腎臓尿細管上皮の可逆性変化」CERI・NITE有害性評価書 No.3(2004))の記載があることから、神経系、肝臓、甲状腺、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(神経系、肝臓、甲状腺)、区分2(腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 区分1 | 危険 | H304: 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P331: 無理に吐かせないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
環境省リスク評価書 第2巻(2003)に「吸入すると肺水腫を起こす場合もある。飲み込むと化学性肺炎を起こす。」との記載、ATSDR(2001)に「急性的に経口摂取し死亡した例で、肺のうっ血、水腫、呼吸困難、気管支炎がみられている。肺の水腫は誤嚥に起因した化学性肺炎であろう。」との記載があるため、区分1とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=94mg/L(SIDS、2004)他から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性が区分3であるものの、魚類(ファットヘッドミノー)の28日間NOEC=29000μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)から判断して、区分外とした。 |
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