名称:クロム酸ストロンチウム
CAS番号:7789-06-2
物質ID: | 109 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶解度0.12g/100mL(15℃)、ICSC(2004))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であり、ICSC(2004)では強力な酸化剤としているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験の LD50 811mg/kg(ATSDR(2000))から、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 なお、本物質を特定した報告ではないが、ACGIH(7th, 2001)、ATSDR(2000)、CERIハザードデータ集 97-18(1998)、EHC 61(1988)、EU-RAR No.53(2005)のヒトへの健康影響の記述にて「chrome ulcers」「skin ulcers(chrome holes)」等の症状がみられている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
本物質を特定した報告ではないが、EU-RAR No.53(2005)のヒトへの健康影響にて「高水溶性のCr(VI)化合物溶液を眼に浴びるとヒトの眼に傷害をひきおこす。多数の症例報告が角膜と結膜の炎症を報告しており、より重篤な場合には角膜の糜爛と潰瘍を引き起こす。症状の強さは低いpHや高温で増加する。事故による接触で角膜の浮腫と混濁」「ヒトで単回または反復した暴露で潰瘍を含む重篤な持続性の眼と皮膚への傷害が見られている」との記述があり、クロム(VI)化合物は区分1に分類されると考えられるため、クロム酸ストロンチウムも区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
既存分類情報に基づくと、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会はクロムを呼吸器感作性がある物質、日本産業衛生学会はクロム(注)を気道感作性物質「第2群」に分類している。これらの既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も呼吸器感作性を有すると考えられ、区分1とした。 (注)「当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。」という但し書きがある。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
既存分類情報に基づくと、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会はクロムを皮膚感作性がある物質、日本産業衛生学会はクロム(注)を皮膚感作性物質「第1群」に分類している。これらの既存分類は本物質を明示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。したがって、クロム化合物である本物質も皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。 (注)「当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。」という但し書きがある。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 なお、クロム(VI)の生殖細胞変異原性については、二クロム酸カリウム、CAS:7778-50-9も参照のこと。 |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でK(Chromium hexavalent(VI)compounds として)、ACGIH(2001)でA1(Insoluble Cr VI Compounds として)、EPA(1998)でA(Chromium(VI)として: inhalation)、IARC(1990)で 1(Chromium(VI)として)に分類されていることから、区分1Aとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 なお、クロム(VI)の生殖毒性については、二クロム酸カリウム、CAS:7778-50-9も参照のこと。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 「The only chemical form of stable strontium that is very harmful by inhalation is strontium chromate, but this is because of toxic chromium and not strontium itself.」(ATSDR(2004))より、クロム酸ストロンチウムの毒性は六価クロムによるものと考えられるが、クロム酸ストロンチウムを用いた試験データがないため、分類できないとした。 なお、6価クロム化合物の急性毒性として、「咳、緑黄色痰、呼吸困難、肺うっ血症状、緑黄色粘液嘔吐、腹痛、下痢、悪心、嘔吐、肝臓障害、腎臓障害」(CERIハザードデータ集 97-18(1998))がみられたとの報告がある。 本事業で同様にGHS分類を実施しているニクロム酸カリウム(ID_0262、CAS_7778-50-09)の分類結果を参照すること。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 「The only chemical form of stable strontium that is very harmful by inhalation is strontium chromate, but this is because of toxic chromium and not strontium itself.」(ATSDR(2004))より、クロム酸ストロンチウムの毒性は六価クロムによるものと考えられるが、クロム酸ストロンチウムを用いた試験データがないため、分類できないとした。 なお、6 価クロムの慢性毒性として、「鼻粘膜、咽喉頭の炎症や潰瘍、鼻中隔穿孔」(CERIハザードデータ集 97-18(1998))がみられたとの報告がある。 本事業で同様にGHS分類を実施しているニクロム酸カリウム(ID_0262、CAS_7778-50-09)の分類結果を参照すること。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
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