GHS分類結果

名称:アンチモン
CAS番号:7440-36-0

結果:
物質ID: 87
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 形態が特定されておらず、またデータがないので分類できない。また、Sax(11th, 2004)は、粉末や蒸気の形態で火災や爆発の危険性ありとしており、注記で通常では金属は微粉末になるほど危険度が大きいとしている。なお、国連危険物輸送勧告では、アンチモン粉末はクラス・区分6.1(国連番号2871)である。アンチモンに限定されていないものが金属粉末(可燃性のもの)(他に品名が明示されているものを除く)はクラス・区分4.1容器:等級II、III(国連番号3089)で、「区分1」または「区分2」に該当している。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定(水に不溶(ICSC,1999))。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、またはハロゲンを含まない無機物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 有機化合物でない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - ラットを用いた経口投与試験のLD50 7,000 mg/kg(RTECS, 2004)から、区分外である可能性が高いが、Priority 2 のデータであり、分類できない、とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体のため、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - HSDB(2005)の記載「皮膚に対し、刺激性を有する」から刺激性のある可能性があるが、Priority 2 のデータであり、分類できない、とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - HSDB(2005)の記載「眼に対し、刺激性を有する」から刺激性のある可能性があるが、Priority 2 のデータであり、分類できない、とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - 毒性情報と既存分類がないことによる専門家の判断に基づき分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトについては「金属蒸気及び金属酸化物粉末の長期間暴露は肺障害を誘引する」(HSDB(2005))の記述があるり、実験動物では「間質の線維化、肺胞壁の肥大及び過形成、肺の立方及び円柱上皮の変質形成」(HSDB(2005))の記述があることから呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。以上より分類は区分2(呼吸器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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