名称:ホルムアルデヒド
CAS番号:50-00-0
物質ID: | 69 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。爆発性に関する原子団を含まない(水溶液)。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 区分1(ガス)、分類対象外(水溶液) | 危険 | H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス(ガス) |
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。 P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。 P403: 換気の良い場所で保管すること。 |
ICSC(2004)による爆発限界下限値は7vol%であり、「区分1」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では該当する物質名称でのリストはない(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。 | |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類できない(ガス)、分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | データなし。(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。 |
5 | 高圧ガス | 液化ガス(ガス)、分類対象外(水溶液) | 警告 | H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ(ガス) | P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | ICSC(2004)による沸点は-20℃、かつHSDB(2005)による臨界温度は137.2〜141.2℃であり、「液化ガス」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では該当する物質名称でのリストはない(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。 | |
6 | 引火性液体 | 分類対象外(ガス)、区分4(水溶液、含有率37%)、分類できない(水溶液、含有率が不明のもの) | - | 警告 | H227: 可燃性液体(水溶液、含有率37%) |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
GHSの定義における気体である(ガス)。ICSC(2004)による含有率37%のホルムアルデヒドの引火点は85℃(密閉式)であり、「区分4」に該当する。ホルムアルデヒド(水溶液)の引火点は、ホルムアルデヒドの含有率によるので、含有率が特定されないものは分類できない。国連危険物輸送勧告では、クラス8(国連番号2209(溶液、濃度が25質量%以上のもの))、またはクラス3およびクラス8(国連番号1198(溶液、引火性のもの))(水溶液)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない(水溶液)。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外(ガス)、区分外(水溶液) | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。ICSC(2004)によるホルムアルデヒド(ガス)の発火点は430℃であり常温の空気と接触しても自然発火せず、その水溶液は常温の空気と接触しても自然発火しない(水溶液)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類対象外(ガス)、分類できない(水溶液) | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。液体状の物質に適した試験方法が確立していない(水溶液)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない(水溶液)。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない(水溶液)。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における気体である(ガス)。-O-O-構造を含まない有機化合物である(水溶液)。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない(ガス)。データなし。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(国連番号1198および2209)(水溶液)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 600mg/kg(SIDS(2002))、700mg/kg(SIDS(2002))、800mg/kg(SIDS(2002))に基づき、計算式を適用して得られた LD50=605mg/kg から区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 270mg/kg(EHC 89(1989))から区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露与試験(ガス)のLC50 480ppm(SIDS(2002))から区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果(EHC 89(1989))「mild to moderate」、及びヒトへの影響データ(EHC 89(1989))から区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
疫学事例(EHC 89(1989))、及び動物を用いた眼刺激性試験結果(SIDS(2002)、EHC 89(1989))から、「軽度ではない眼刺激を有する」と考えられ、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いたIgE特異的免疫学的項目の測定陽性結果(CICAD 40(2002))、ヒトへの健康影響のデータ(EHC 89(1989))、及び日本産業衛生学会分類にて、リストアップされていることから区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
疫学事例(EHC 89(1989)、CERI・NITE有害性評価書 No.71(2005))、日本産業衛生学会分類、及び日本接触皮膚炎学会にて、リストアップされていることから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERI・NITE有害性評価書 No.71(2005)、SIDS(2004)の記述から、生殖細胞in vivo変異原性試験(マウス精母細胞における染色体異常試験)で陰性、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験、染色体異常試験)で陽性(ただし直接暴露部位の胃腸管細胞、肺胞細胞に限る)、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、区分2とした。なお、ラットにおける優性致死試験で弱陽性/ambiguousの報告があるものの、評価に適切な試験とは認識されておらず、「陽性」とは判断しなかった。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(2005)でGroup 1(carcinogenic to humans)に分類されていることから、区分1Aとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系、呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系、呼吸器) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「気道への刺激性」(ACGIH(7th、2001))、「気道への刺激性、鼻や口蓋神経の感受性低下、視床下部への影響」(CERI・NITE有害性評価書 No.71(2005))、実験動物については、「気道への刺激性、筋肉など全身の痙攣、肺水腫」(SIDS(2004))等の記述があることから、神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、中枢神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、中枢神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「刺激性に起因する呼吸器への影響、中枢神経系への影響」(ECETOC TR1(1979))、実験動物については、「鼻の組織への扁平上皮化生、咽頭への扁平上皮化生、気管管腔の炎症、体重減少、気管支上皮の化生、呼吸困難、不穏、背彎姿勢、死亡」(CERIハザードデータ集 96-7(1997))等の記述があることから、呼吸器、中枢神経系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、中枢神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | ホルムアルデヒドは常温で気体であるため、分類対象外である。 また、その水溶液であるホルマリンについての吸引性呼吸器有害性のデータはない。よって、分類できないとした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ストライプトバス)の96時間LC50=1.8mg/L(CICAD40、2002)他から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(BODによる分解度:91%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.35(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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