名称:フッ化水素(フッ化水素酸)
CAS番号:7664-39-3
物質ID: | 63 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(フッ化水素(ICSC,2004))。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(フッ化水素(ICSC,2004))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(フッ化水素(ICSC,2004))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 区分外 | - | - | - | - | フッ素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1およびクラス8であることから「区分外」とした(国連番号1052(無水物)および1790(フッ化水素酸))。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体状の物質に適した試験方法が確立していない(沸点20℃(ICSC,2004)、試験温度55℃)(フッ化水素)。データなし。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(国連番号1790(フッ化水素酸))(フッ化水素酸)。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 健康有害性については、フッ化ナトリウム、CAS No.7681-49-4も参照のこと。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験(蒸気)のLC50(1時間)0.79mg/L(CERIハザードデータ集 2001-46(2002))、1.915mg/L(CERIハザードデータ集 2001-46(2002))、1.828mg/L(EU-RAR No.8(2001))、1.909mg/L(EU-RAR No.8(2001))、1.069mg/L(EU-RAR No.8(2001))、0.792mg/L(EU-RAR No.8(2001))、1.136mg/L(EU-RAR No.8(2001))、1.317mg/L(ATSDR(2003))、1.069mg/L(PATTY(4th, 2000))、1.14mg/L(PATTY(4th, 2000))に基づき、計算式を適用してLC50(4時間換算値)の650ppmが得られた。飽和蒸気圧122kPa(25℃)(フッ化水素)(ICSC(2004))における飽和蒸気圧濃度は1210000ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 2001-46(2002)、EURAR No.8(2001)、ATSDR(2003)、PATTY(4th, 2000)の動物を用いた眼刺激性試験結果、およびヒトへの健康影響の記述から、「皮膚腐食性がある」と考えられる、またウサギを用いた5%水溶液の4時間適用試験結果から14日間観察でescharが認められたことから、区分1A-1Cとしたが、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
CERIハザードデータ集 2001-46(2002)、EURAR No.8(2001)、ATSDR(2003)の動物を用いた眼刺激性試験結果、及びATSDR(2003)の高濃度全身吸入暴露の事故報告の記述から、非可逆的作用を示し、腐食性を有すると考えられるため、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 2001-46(2002)のヒトへの健康影響の記述「職業的に暴露されたヒトにおいて、アレルギー性皮膚炎がみられている」から、皮膚感作性があると考えられ、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EU-RAR No.8(2001)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo 変異原性試験(染色体異常試験)で陽性であり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 発がんに関するデータはあるが、既存分類を行なっている機関がない。「骨肉腫増加の証拠はない」とされているが、分類するに十分でないため、分類できない。 健康有害性については、CAS No.7681-49-4 フッ化ナトリウムも参照のこと。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため、分類できない。 健康有害性については、CAS No.7681-49-4 フッ化ナトリウムも参照のこと。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、膵臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器、膵臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「気道や肺の損傷、鼻粘膜への刺激性、眼結膜や気道への刺激性」(EU-RAR No.8(2001))、「肺水腫、肺の出血性水腫、気管支炎、膵臓の出血及び壊死」(CERIハザードデータ集2001-46(2002))等の記述、実験動物については、「呼吸器の炎症、肺のうっ血、肺胞の水腫」、「鼻腔粘膜の損傷(上皮及び粘膜下組織の壊死、炎症細胞浸潤、滲出液、出血)」(CERIハザードデータ集 2001-46(2002))等の記述があることから、呼吸器、膵臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(呼吸器、膵臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(骨、歯、下垂体、甲状腺、腎臓、神経系、肝臓、精巣、気管支) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨、歯、下垂体、甲状腺、腎臓、神経系、肝臓、精巣、気管支) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「骨へのフッ素沈着症(骨密度の増加、骨の形態的変化、外骨(腫)症)、斑状歯、記憶の喪失、下垂体から甲状腺の機能異常」(CERIハザードデータ集2001-46(2002))等の記述、実験動物については、「腎臓の尿細管の変性及び壊死、中枢神経系の機能不全(条件反射の低下、刺激後、運動神経反射が起こるまでの潜時の延長)、神経細胞シナプスの変化、肝臓の散在性の巣状壊死、肝実質の脂肪変性、門脈周囲の線維化、陰嚢上皮の炎症、陰嚢の潰瘍、精巣の退行性変化」(CERIハザードデータ集2001-46(2002))、「気管支粘膜の萎縮や浮腫、気管支周囲の肥厚化」(EU-RAR No.8(2001))等の記述があることから、骨、歯、下垂体、甲状腺、腎臓、神経系、肝臓、精巣、気管支が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(骨、歯、下垂体、甲状腺、腎臓、神経系、肝臓、精巣、気管支)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間EC50=10.5mg/L(EU-RAR、2002)他から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性が区分3であるものの、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=14.1mg/L(EU-RAR、2002)から判断して、区分外とした。 |
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