名称:o-フェニレンジアミン
CAS番号:95-54-5
物質ID: | 58 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1673(o-,m-,p-))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1673(o-,m-,p-))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない(融点103〜104℃(ICSC,2002)、試験温度140℃)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 510 mg/kg、3,000 mg/kg(CERIハザードデータ集 2001-31(2002))、660 mg/kg、1,284 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))に基づき計算式を適用して得られたLD50 510 mg/kgから 区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた吸入暴露試験(粉塵)のLC50 0.15 mg/L(4時間換算)(ACGIH(7th, 2001))から、区分2とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | DFGOT vol.6(1994)のウサギを用いた4時間適用試験結果の記述において「刺激性なし」との報告が得られているが、CERIハザードデータ集 99-3(2000)のウサギを用いた4時間適用試験では「軽度の刺激性を示す」、環境省リスク評価第3巻(2004)のヒトへの健康影響の記述においては「皮膚に対して軽度の刺激性がみられる」との報告が得られていることから、区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
DFGOT vol.6(1994)、CERIハザードデータ集 99-3(2000)、ACGIH(7th, 2001)のウサギを用いた眼刺激性試験結果の記述において「中等度の刺激性」がみられ、環境省リスク評価第3巻(2004)のヒトへの健康影響の記述においても「ヒトに対して眼刺激性を示す」との報告が得られていることから、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 2001-31(2002)、DFGOT vol.6(1994)の多くのモルモットを用いた皮膚感作性試験において「皮膚感作性あり」との報告が得られ、環境省リスク評価第3巻(2004)、DFGOT vol.6(1994)のヒトへの健康影響の記述においても、皮膚感作性があることを示す報告が得られている。また、既存分類としては、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会にて、皮膚感作性物質としてリストアップされており、産業衛生学会でも「皮膚:第1群」としていることから、皮膚感作性を有すると考えられるため、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 99-3(2000)、DFGOTvol. 2 1(2005)、NTP DB(Access on March 2006)の記述から、経世代変異原性試験で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験、染色体異常試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なし、であることから「区分2」とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIH(2001)でA3に分類されていることから、「区分2」とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | 環境省リスク評価第3巻(2004)、PATTY(4th, 2000)の記述から、ラットの催奇形性試験において生殖毒性が認められていないことから、専門家の判断により「区分外」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液系)、区分2(呼吸器、神経系、腎臓、筋肉、肝臓) |
警告 危険 |
H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器、神経系、腎臓、筋肉、肝臓) H370: 臓器の障害(血液系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「本物質は眼を刺激し、皮膚、気道も軽く刺激する。血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成することがある」(環境省リスク評価第3巻(2004))、「関心薄弱、横紋筋融解症、LDH - APAT -, Aldolase Glutamat Amino Transferase 上昇、急性腎不全、膝窩変色、中枢神経系、筋肉、肝臓に障害」、「尿細管変性、腎間質水腫、肝細胞壊死、気管支肺炎」、「聴覚失調、呼吸困難、腎障害」(IUCLID(2000))等の記述、実験動物については、「メトヘモグロビンの形成」(ACGIH(7th, 2001))、「経皮投与による運動失調症、唾液腺機能もしくは構造の変化や血尿」(RTECS(2005))、「弱い鼻粘膜への刺激」(DFGOT vol.13(1999))等の記述があることから、血液系、中枢神経系、呼吸器、腎臓、筋肉、肝臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 以上より、分類は区分1(血液系)、区分2(呼吸器、神経系、腎臓、筋肉、肝臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(呼吸器、心臓、腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器、心臓、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、「鼻づまり、鼻腔刺激、呼吸困難、血中ハインツ小体」、「脈管炎、右冠状動脈梗塞、肺鬱血、腎肥大、糸球体腎炎」(IUCLID(2000))等の記述があることから、呼吸器、心臓、腎臓が標的臓器と考えられた。 以上より分類は区分2(呼吸器、心臓、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=0.82mg/L(環境省生態影響試験、2001)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=0.15(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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