GHS分類結果

名称:チオりん酸O,O-ジエチル-O-(3,5,6-トリクロロ-2-ピリジル)
CAS番号:2921-88-2

結果:
物質ID: 40
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 可燃性との情報があるが(ICSC(J)(1998))、規定試験法によるデータなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 引火点が148℃であり(MSDS)、常温の空気と接触しても発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類できない - - - - データなし。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 銅や真鍮を侵すとの情報があるが(HSDB(Access on Mar. 2006))、規定試験法によるデータなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:135mg/kg(農薬抄録)に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットLD50値:>2000mg/kgに基づき、2000mg/kg以下では死亡が認められない(農薬抄録)ことから、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラットLC50(4時間)値は>0.2mg/Lである(農薬抄録)が、このデータだけでは区分が特定できないことから、データ不足のため分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外(72%顆粒水和剤について) - - - - 72%顆粒水和剤のウサギを用いた皮膚刺激性試験において刺激性が認められなかった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギの眼に適用した試験において、刺激性の基準に適応する眼の変化が認められなかった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたBuehler法による皮膚感作性試験において、陽性率が0%であった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の結果がある(農薬抄録)ことから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - EPAでグループE(Office of Pesticide Programs List of Chemicals Evaluated for Carcinogenic Potential)、ACGIHでA4(ACGIH, 2003)に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与繁殖試験、ならびにラット、マウス及びウサギを用いた催奇形性試験において親動物に一般毒性が認められる用量でも生殖毒性は認められなかった(農薬抄録)ことから、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験において、コリンエステラーゼ活性阻害による作用および神経系への影響を示す症状が区分1のガイダンス値範囲の投与量で認められた(農薬抄録)ことから、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系、副腎)、区分2(眼) 危険
警告
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、副腎)
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(眼)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験において、両脚および尾の麻痺、脳コリンエステラーゼ活性の低下、ならびに副腎束状帯脂肪空胞化が区分1のガイダンス値範囲の投与量で認められ、マウスを用いた経口投与試験では急性ないし亜急性角膜炎が区分2のガイダンス値範囲の投与量で認められた(いずれも農薬抄録)ことから、区分1(神経系、副腎)、区分2(眼)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(ネコゼミジンコ属)の48時間LC50=0.000058mg/L(ECETOC TR91、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がなく(BODによる分解度:0.2%(既存化学物質安全性点検データ))、生物蓄積性がある(BCF=2880(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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