名称:酸化カドミウム
CAS番号:1306-19-0
物質ID: | 15 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,1999)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定(水に不溶、ICSC(1999))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 72-296mg/kg(CaPSAR(1994))、72mg/kg(CERIハザードデータ集 97-17(1998))のうち低い値72mg/kgから区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
酸化カドミウムフュームを暴露された人のデータにて、4時間換算にした場合の致死量 0.01mg/L(ACGIH(7th, 2001))、0.012mg/L(EHC 134(1992))、0.011mg/L(EHC 134(1992))に基づき、計算式を適用して得られた致死量 0.011mg/Lから区分1とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP TOX39(1995)、NTP DB(Access on December 2005)、IARC 58(1993)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞 in vivo 変異原性試験なし、体細胞 in vivo 変異原性試験(ヒトの末梢リンパ球における染色体試験)で陽性であり、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験でなしであることから、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIH(2001)でA2と区分していることから、区分1Bとした。(ただし、Cadmium and cadmium compoundsとして分類) | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
CERIハザードデータ集 97-17(1998)、NTP TOX39(1995)、IARC58(1993)の記述から、ラットの発生毒性試験において、一般毒性がみられる用量で、胎児に体重減少がみられていることから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては「肺炎」(ACGIH(7th, 2001))、「呼吸困難、咳、筋肉痛及び発熱。胸部X線写真で浸潤影が観察された」、「暴露9年後にも進行性肺線維化症が存在し肺機能の改善は見られなかった」(ATSDR(1999))等の記述がある。実験動物では「間質性肺炎と、肺胞上皮細胞の増生及び線維芽細胞の増生」(CERIハザードデータ集 97-17(1998))、「出血、水腫、単核球層をともなう瀰漫性肺胞炎」、「呼吸困難及び肺の退色」(ATSDR(1999))等の記述があることから、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(呼吸器)とした。 【注記】なお、カドミウム化合物の急性毒性としては吸入暴露では「化学性肺炎と肺水腫が主要な症状で、経口摂取では急激で重篤な悪心、嘔吐、腹痛が特徴的な症状である」(EHC 134(1992))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、腎臓、骨組織、心臓、造血系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、腎臓、骨組織、心臓、造血系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては「糸球体ろ過機能減退」(ACGIH(7th, 2001))、「高暴露群の強制肺活量の減少」(ATSDR(1999))、「骨代謝への直接的影響」(EHC 134(1992))等の記述がある。実験動物では「心筋介在板の障害」、「好中球増加症、リンパ球減少症、貧血」(CERIハザードデータ集 97-17(1998))、「肺気腫発生部位」(ATSDR(1999))、「肺胞及びその周囲の壊死及び細胞浸潤」、「処置群の肺、咽頭、鼻腔の病理組織学的変化」(NTP TOX(1995))等の記述があることから、呼吸器、腎臓、骨組織、心臓、造血系が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で見られた。 以上より分類は区分1(呼吸器、腎臓、骨組織、心臓及び造血系)とした。 【注記】なお、カドミウム化合物の慢性毒性としては「糸球体性蛋白尿等の腎障害、それに誘導される高尿中カルシウム症、カルシウムと燐酸塩比率の不調和、血中燐酸レベルの低下、腎結石形成、および骨粗鬆症と骨軟化症な症状である」(EHC 134(1992))。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(緑藻)の72時間EC50=79μg/L(EU-RAR、2003)(酸化カドミウム濃度換算値:90μg/L)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=20(既存化学物質安全性点検データ))、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分1とした。 |
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