参考資料
解説・用語集(エクセルファイル(64KB))
| ID176 ヒドロキノン(CAS番号 123-31-9) | 分類実施日 | H19.12.25 |
| 危険・有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起用語 | 危険有害性情報 | 分類根拠・問題点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 急性毒性(経口) | |||||
| 1 | 急性毒性(経皮) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:ガス) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | |||||
| 1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | |||||
| 2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | 軽度の皮膚刺激 | 長時間、高濃度の適用で中程度以上の刺激性を示した試験例が2例あるが、4例は軽度以下の刺激性を示している。 従って、本物質は軽度の(mild)刺激性を示すと考えられるので、「区分3」と分類するのが妥当と考える。 |
| 3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ![]() |
危険 | 重篤な眼の損傷 | 軽度以下の刺激性を示すウサギ、モルモット、イヌの試験例が3例ある。しかし、腐食性を示すウサギの試験例が1例あり、本例の試験内容は信頼できるものである。 よって、3省GHS分類「区分2A-2B」から「区分1」へ修正するのが妥当と考える。 なお、EUリスク警句も「区分1」に相当している。 |
| 4 | 呼吸器感作性又は皮膚感作性 | |||||
| 5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ![]() |
警告 | 遺伝的疾患のおそれの疑い | ヒドロキノンの in vitro試験結果から、活性酸素が大きく影響すると推察される。従って、複数のin vivo生殖細胞変異原性試験陽性結果の信頼性を評価することにより、経口投与では活性酸素の影響は吸収/代謝過程で減弱すると判断される。よって、投与方法も考慮した全ての試験結果に対する証拠の重み付けが必要といえる。 In vivo体細胞変異原性試験では腹腔投与以外に経口投与でも弱いながら影響が見られるが、経口投与による経世代変異原性試験では陽性結果はなく陰性結果のみである。証拠の重み付けより、「区分1B」より「区分2」が妥当と判断する。 |
| 6 | 発がん性 | |||||
| 7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | 3省GHS分類は、EHC(1994)に基づいているが、パブリックコメントで指摘のように、かなり以前の文献(1955年−1964年)である。これらの文献では、影響が認められたとの記載があるが、パブリックコメントに記載の Patty’s Toxicology(2001)およびSIDS (2002)を精査した結果、最近の研究では、ラットを用いた発生毒性試験、ウサギを用いた発生毒性試験、ラットを用いた二世代繁殖試験のいずれの試験においても、生殖毒性は認められていないとの記載を確認した。これらの試験は、USEPAガイドライン、OECDガイドラインに準拠しており、十分信頼性のあるデータである。 従って、GHS分類は、「区分1B」から「区分外」に変更する。 |
| 8 | 標的臓器/全身毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | ![]() |
警告 | 眠気やめまいのおそれ | 「区分1(中枢神経系)」については、症状は回復することから一時的なものであり「区分3(麻酔作用)」に修正する。「区分1(腎臓)」について、3省GHS分類に引用されたラット症例は系統差・性差がある症例である。従って、種差の異なる霊長類(ヒト)の判断に適用することには無理があると考え、ヒト症例では有害な臨床影響や血液・尿の変化はみられていないことから、腎臓の削除が妥当と判断する。 |
| 9 | 標的臓器/全身毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓) | ![]() |
警告 | 長期ないし反復暴露による臓器(肝臓)の障害のおそれ | 呼吸器系については、ヒドロキノン・トリメチルヒドロキノン・レチネン-ヒドロキノンの混合物に暴露した作業者のデータがある(EHC)。しかし、SIDS、EHC、Patty’s、ハザードデータ集の範囲では、ヒドロキノン単体の吸入暴露による呼吸器影響を示す情報はなかった。よって、現段階では呼吸器系について反復暴露のGHS分類を実施するにはデータ不足である。 血液系については、「区分1」のガイダンス値範囲内で、「赤血球の大小不同症、多染性、好酸性赤芽球等の血液学的変化」が認められた動物試験データがある(ハザードデータ集、EHC)。一方、血液に影響が認められないとのヒトボランティアの事例があり(EHC)、この事例はEHCのヒト健康リスクの評価の項で採用されている。よって、ラットを用いる試験では血液系への影響が認められるものの、ヒトに対しては血液系への影響はないと判断できるので、血液系についてはGHS分類は「区分外」相当であると考える。 中枢神経系については、EHCを確認したところ、3省のGHS分類根拠となった情報は、「投与直後に振戦および活性低下が認められた」例であることがわかった。これは単回暴露による影響とみられるので、反復暴露の標的臓器から中枢神経系を削除するのが妥当と考える。 肝臓については、「区分2」のガイダンス値範囲内では、マウスの試験で肝毒性が認められており、ラット等の動物試験では認められていない。また、肝毒性を示すヒト症例もない。しかし、現時点ではマウスのデータに基づき、「区分2(肝臓)」とするのが妥当と考える。 腎臓については、本物質の反復暴露によりF344ラットの雄には腎症が認められているが、F344ラットの雌、SDラット、Carworthラット、イヌ、マウスには腎症が認められていない(Patty’s)。また、F344ラットの雌は腎臓影響に敏感であるとSIDS、EHC、Patty’sに記載されている。よって、腎症はF344ラットの雄特有の症状であると考えられるので、反復暴露の標的臓器から腎臓を削除するのが妥当と考える。 以上から、反復暴露のGHS分類を、「区分1(呼吸器、血液系)、区分2(中枢神経系、肝臓、腎臓)」から「区分2(肝臓)」に変更する。 |
| 10 | 吸引性呼吸器有害性 | |||||