GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID176 ヒドロキノン(CAS番号 123-31-9) 分類実施日 H18.7.24 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点515℃(ICSC,2004))。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - データなし。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
飲み込むと有害
ラットを用いた経口投与試験のLD50 1,300 mg/kg(CERIハザードデータ集 99-19 (2000))、302 mg/kg(環境省リスク評価第3巻 (2004))、390 mg/kg(SIDS (2002))、320 mg/kg、1,005 mg/kg、1,295 mg/kg、1,050 mg/kg、1,090 mg/kg、1,182 mg/kg、1,081 mg/kg731 mg/kg、323 mg/kg、298 mg/kg、310 mg/kg、743 mg/kg、627 mg/kg(EHC 157 (1994))に基づき、計算式を適用して得られたLD50 593 mg/kgから、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 74,800 mg/kg(CERIハザードデータ集 99-19 (2000))から、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚刺激
4時間適用試験ではないが、CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、EHC 157 (1994)のモルモットを用いた皮膚刺激性試験において、「10%水溶液を適用したところ、皮膚刺激性がある」との報告が得られ、CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、EHC 157 (1994)、DFGOT vol.10 (1998)のヒト疫学事例においても、「皮膚刺激性あり」との報告が得られていることから、程度については不明だが、刺激があると考えられ、区分2あるいは3と考えられるが、安全性の観点から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、EHC 157 (1994)、DFGOT vol.10 (1998)、SIDS (2002)のモルモット、ウサギを用いた眼刺激性試験において「軽度から中等度の刺激性」がみられたことから、区分2A-2Bとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、2Aとした方が望ましい。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない          皮膚感作性:区分1 (呼吸器感作性)

(皮膚感作性)
警告を表わす感嘆符のシンボル
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:  CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、EHC 157 (1994)のモルモットを用いた皮膚感作性試験結果において、「陽性」との報告が多数得られ、CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、EHC 157 (1994)、DFGOT vol.10 (1998)のヒト疫学事例においても、皮膚感作性があるとの報告が得られていることから、皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分1B 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
遺伝性疾患のおそれ
EHC 157(1994)、SIDS (2002)、CERIハザードデータ集 99-19 (2000)、NTP DB (Access on March 2006)の記述から、経世代変異原性試験で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験で陽性、であることから「区分1B」とした。
6 発がん性 区分2 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
発がんのおそれの疑い
ACGIH (2001)でA3に分類されていることから、「区分2」とした。
7 生殖毒性 区分1B 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
生殖能または胎児への悪影響のおそれ
EHC 157 (1994)の記述から、母動物に一般毒性がみられずに、胚吸収率が増加したことによる。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、腎臓) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(中枢神経系、腎臓)の障害
ヒトについては、「ヒドロキノンの主な毒性症状は振戦、嘔吐、腹痛、頭痛、頻脈、反射低下、暗色尿、呼吸困難、チアノーゼ、昏睡」(EHC 157 (1994))の記述、実験動物については、「酵素尿、グルコース尿、尿中上皮細胞の増加が見られた」(EHC 157 (1994))、「神経及び筋収縮、振戦が見られた」 (IUCLID (2000))等の記述があることから、中枢神経系、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1及び区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(中枢神経系、腎臓)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、血液系)、区分2(中枢神経系、肝臓、腎臓) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
警告
長期または反復暴露による臓器(呼吸器、血液系)の障害
長期または反復暴露による臓器(中枢神経系、肝臓、腎臓)の障害のおそれ
ヒトについては、「暴露群では肺機能値の著しい低下」(EHC 157 (1994))の記述、実験動物については、「振戦、活性低下」、「合胞体細胞と巨細胞を含む肝の病変が見られた」(EHC 157 (1994))、「振戦、痙攣」、「ヘマトクリット値、ヘモグロビン濃度、赤血球数の減少。投与量に依存する腎障害度の増加」(NTP TR366 (1989))、「赤血球の大小不同症、多染性、好酸性赤芽球等の血液学的変化がみられている」(CERIハザードデータ集 99-19 (2000))等の記述があることから、呼吸器、中枢神経系、肝臓、血液系、腎臓 が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1及び区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器、血液系)、区分2(中枢神経系、肝臓、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 水生生物に非常に強い毒性 魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=44μg/L(環境省リスク評価第2巻、2003)他から、区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 急速分解性があり(BODによる分解度:70%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.59(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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