GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID76 りん酸ジメチル=2,2-ジクロロビニル(CAS番号 62-73-7) 分類実施日 2006.8.18 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - NFPA(13th,2002)による引火点は177℃(開放式)であり、「区分外」に該当する。
7 可燃性固体 区分外 - - - ICSC(2004)では可燃性としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号3018(有機リン系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの)(ICSC,2004)。
8 自己反応性物質および混合物 区分外 - - - 化学構造に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号3018(有機リン系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの)(ICSC,2004))。
9 自然発火性液体 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号3018(有機リン系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの)(ICSC,2004))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 区分外 - - - 水に対して安定(水溶解度10,000mg/L (20℃)、HSDB(2006))。
13 酸化性液体 区分外 - - - 炭素、水素以外の元素と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号3018(有機リン系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの)(ICSC,2004))。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号3018(有機リン系殺虫殺菌剤類、液体、毒性のもの)(ICSC,2004))。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
飲み込むと有毒
ラットでの急性毒性試験のLD50が56mg/kg(農薬登録申請資料(2003))との報告があることから、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
皮膚に接触すると生命に危険
ラットでの急性毒性試験のLD50が75mg/kg(農薬登録申請資料(2003))との報告があることから、区分2とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - 蒸気暴露での急性毒性試験データが無いため、分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると生命に危険
ラットを用いた吸入暴露試験のLC50(1時間)=0.455 mg/L (EHC 79 (1988))、LC50(4時間)=0.34 mg/L(EHC 79 (1988))、0.65 mg/L、0.523 mg/L、0.447 mg/L (PATTY (4th, 1999)) は、計算式を適用するとそれぞれ 50.3 ppm、38 ppm、72 ppm、57.9 ppm、49.4 ppm となる。
飽和蒸気圧 0.0158 mmHg (25℃、2.11 Paに相当) における飽和蒸気圧濃度は20.9 ppmであり、上記の条件はいずれもこの値よりも高いことから、「ミスト暴露」であると考えられる。
計算式を適用して得られた LC50(粉塵・ミスト、4時間)=0.266 mg/kg に基づき、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告
軽度の皮膚刺激
ウサギによる皮膚刺激性試験で、回復可能な軽度の刺激性が認められたとの報告(農薬登録申請資料(2003))から、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告
眼刺激
ウサギによる眼刺激性試験で、角膜と結膜に刺激性が認められたが、5日目に反応が消失したとの報告から(農薬登録申請資料(2003))、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない    皮膚感作性:区分1 (呼吸器感作性)

(皮膚感作性)
警告を表わす感嘆符のシンボル
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性: 皮膚腐食性:モルモットでの皮膚感作性試験(Maximization法)で陽性の結果が報告されている(農薬登録申請データ(2003))ことから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - in vitro染色体異常試験で陰性の報告があるが(農薬登録申請資料(2003))、NTP DB (Access on Apr., 2006)、IARC 53 (1991)、ATSDR (1997)、DFGOT Vol.4 (1992)、CERI・NITE有害性評価書 No.86 (2005)の記載から、経世代変異原性試験 (優性致死試験) で陰性、生殖細胞in vivo変異原性試験 (染色体異常試験) で陰性、体細胞in vivo変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陰性であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - ラットでの経口投与および吸入暴露での発がん性試験で腫瘍発生の増加がなかったとの報告がある(農薬登録申請資料(2003))。また、ACGIH (2001) でA4に分類されていることから、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - 農薬登録申請資料(2003)、IARC 53 (1991)、EHC 79 (1988)、ATSDR (1997)、CERI・NITE有害性評価書 No.86 (2005)) の記載から、親動物に一般毒性を示す用量まで親動物の生殖、児動物の発生に影響がみられないことから、区分外とした。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(神経系)の障害
ラットおよびマウスでの試験で、眼球突出、過剰流涙、流涎、全身性筋線維束攣縮および振戦が観察された(農薬登録申請データ(2003))との報告がある。これらの影響は区分1に相当するガイダンス値で認められたことから、区分1(神経系)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分2(神経系、肝臓) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
長期または反復暴露による臓器(神経系、肝臓)の障害のおそれ
ラット及びイヌによる試験で、コリンエステラーゼ阻害に起因する神経系への影響、肝細胞にび慢性の空胞変性、脂肪変性、肝細胞腫脹、胆状の軽度なうっ帯との報告がある(農薬登録申請資料(2003))。実験動物に対するこれらの影響は区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分2(神経系。肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 水生生物に非常に強い毒性 甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=0.000019mg/L(CERI・NITE有害性評価書、2005)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分1 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
警告 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.47(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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