GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID69 ホルムアルデヒド(CAS番号 50-00-0) 分類実施日 H18.3.23 (環境に対する有害性についてはH18.2.10)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である(ガス)。爆発性に関する原子団を含まない(水溶液)。
2 可燃性/引火性ガス 区分1(ガス)、分類対象外(水溶液) 警告を表わす炎のシンボル
危険
極めて可燃性・引火性の高いガス
ICSC(2004) による爆発限界下限値は7vol%であり、「区分1」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では該当する物質名称でのリストはない(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類できない(ガス)、分類対象外(水溶液) - - - データなし(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。
5 高圧ガス グループ液化ガス(ガス)、分類対象外(水溶液) 警告を表わすボトルのシンボル
警告
加圧ガス:熱すると爆発のおそれ
ICSC(2004)による沸点は-20℃、かつHSDB( 2005)による臨界温度は137.2〜141.2℃であり、「グループ液化ガス」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では該当する物質名称でのリストはない(ガス)。GHSの定義における液体である(水溶液)。
6 引火性液体 分類対象外(ガス)、区分4(水溶液、含有率37%)、分類できない(水溶液、含有率が不明のもの) - 警告
可燃性液体
GHSの定義における気体である(ガス)。ICSC(2004)による含有率37%のホルムアルデヒドの引火点は85℃(密閉式)であり、「区分4」に該当する。ホルムアルデヒド(水溶液)の引火点は、ホルムアルデヒドの含有率によるので、含有率が特定されないものは分類できない。国連危険物輸送勧告では、クラス8 (国連番号2209(溶液、濃度が25質量%以上のもの))、またはクラス3およびクラス8 (国連番号1198(溶液、引火性のもの))(水溶液)。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である(ガス)。爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない(水溶液)。
9 自然発火性液体 分類対象外(ガス)、区分外(水溶液) - - - GHSの定義における気体である(ガス)。ICSC(2004)によるホルムアルデヒド(ガス)の発火点は430℃であり常温の空気と接触しても自然発火せず、その水溶液は常温の空気と接触しても自然発火しない(水溶液)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。
11 自己発熱性物質および混合物 分類対象外(ガス)、分類できない(水溶液) - - - GHSの定義における気体である(ガス)。液体状の物質に適した試験方法が確立していない(水溶液)。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である(ガス)。金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない(水溶液)。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である(ガス)。フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない(水溶液)。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体(ガス)、またはGHSの定義における液体である(水溶液)。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である(ガス)。-O-O-構造を含まない有機化合物である(水溶液)。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない(ガス)。データなし。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(国連番号1198および2209)(水溶液)。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
飲み込むと有害
ラットを用いた経口投与試験のLD50 600mg/kg (SIDS (2002))、700mg/kg (SIDS (2002))、800mg/kg (SIDS (2002))に基づき、計算式を適用して得られた LD50=605mg/kg から区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
皮膚に接触すると有毒
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 270mg/kg (EHC 89 (1989))から区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分2 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると生命に危険
ラットを用いた吸入暴露与試験 (ガス) のLC50 480ppm (SIDS (2002))から区分2とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚刺激
ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果 (EHC 89 (1989))「mild to moderate」、及びヒトへの影響データ (EHC 89 (1989)) から区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
疫学事例 (EHC 89 (1989))、及び動物を用いた眼刺激性試験結果 (SIDS (2002)、EHC 89 (1989)) から、「軽度ではない眼刺激を有する」と考えられ、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:区分1      皮膚感作性:区分1 (呼吸器感作性)
危険を表わす人物シルエットのシンボル
(皮膚感作性)
警告を表わす感嘆符のシンボル
(呼吸器感作性)危険

(皮膚感作性)警告
(呼吸器感作性)吸入するとアレルギー,喘息または呼吸困難を起こすおそれ

(皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器感作性:モルモットを用いたIgE特異的免疫学的項目の測定陽性結果 (CICAD 40 (2002))、ヒトへの健康影響のデータ (EHC 89 (1989))、及び日本産業衛生学会分類にて、リストアップされていることから区分1とした。
皮膚感作性:  疫学事例 (EHC 89 (1989)、CERI・NITE有害性評価書 No.71 (2005))、日本産業衛生学会分類、及び日本接触皮膚炎学会にて、リストアップされていることから区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2 危険を表わす人物シルエットのシンボル
警告
遺伝性疾患のおそれの疑い
CERI・NITE有害性評価書 No.71 (2005)、SIDS (2004) の記述から、生殖細胞in vivo変異原性試験 (マウス精母細胞における染色体異常試験) で陰性、体細胞in vivo変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陽性 (ただし直接暴露部位の胃腸管細胞、肺胞細胞に限る)、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なしであることから、区分2とした。なお、ラットにおける優性致死試験で弱陽性/ambiguousの報告があるものの、評価に適切な試験とは認識されておらず、「陽性」とは判断しなかった。
6 発がん性 区分1A 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
発がんのおそれ
IARC (2005) でGroup 1 (carcinogenic to humans) に分類されていることから、区分1Aとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - データ不足のため分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(神経系、呼吸器) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(神経系、呼吸器)の障害
ヒトについては、「気道への刺激性」(ACGIH (7th、2001))、「気道への刺激性、鼻や口蓋神経の感受性低下、視床下部への影響」(CERI・NITE有害性評価書 No.71 (2005))、実験動物については、「気道への刺激性、筋肉など全身の痙攣、肺水腫」(SIDS (2004))等の記述があることから、神経系、呼吸器が標的臓器と考えられた。
以上より、分類は区分1(神経系、呼吸器)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器、中枢神経系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(呼吸器、中枢神経系)の障害
ヒトについては、「刺激性に起因する呼吸器への影響、中枢神経系への影響」(ECETOC TR1 (1979))、実験動物については、「鼻の組織への扁平上皮化生、咽頭への扁平上皮化生、気管管腔の炎症、体重減少、気管支上皮の化生、呼吸困難、不穏、背彎姿勢、死亡」(CERIハザードデータ集 96-7 (1997))等の記述があることから、呼吸器、中枢神経系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器、中枢神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - ホルムアルデヒドは常温で気体であるため、分類対象外である。
また、その水溶液であるホルマリンについての吸引性呼吸器有害性のデータはない。よって、分類できないとした。

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 魚類(ストライプトバス)の96時間LC50=1.8mg/L(CICAD40、2002)他から、区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分外 - - - 急速分解性があり(BODによる分解度:91%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.35(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


物質一覧ページに戻る

GHS関連情報トップページに戻る

このページの先頭へ