GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID68 ホスゲン(CAS番号 75-44-5) 分類実施日 H18.12.19 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
2 可燃性/引火性ガス 区分外 - - - 不燃性(ICSC,2004)。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分2.3およびクラス8(国連番号1076)。
5 高圧ガス グループ液化ガス 警告を表わすボトルのシンボル
警告
加圧ガス:熱すると爆発のおそれ
ICSC(2004)による沸点は8℃、かつHSDB(2006)による臨界温度は182℃であり、「グループ液化ガス」に該当する。国連危険物輸送勧告ではクラス・区分2.3(国連番号1076)。
6 引火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - GHSの定義における気体である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - データなし
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分1 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると生命に危険
ラットを用いた吸入暴露(ガス)試験のLC50 5.58 ppm(4時間換算)(CERIハザードデータ集 2000-51 (2001))、ヒトでのLC50 170分間 3ppm暴露を4時間換算すると、2ppmとなる。これらのうち、ヒトでのLC50 2ppmから、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - GHSの定義による気体であるため、蒸気での吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - GHSの定義による気体であるため、粉塵・ミストでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
皮膚刺激
EHC 193 (1997)に、「高濃度での皮膚接触にて皮膚刺激性を引き起こす」との記載があることから、区分2とした。

なお、EHC 193 (1997)、IRIS (2006)ではヒトへの健康影響の記述において湿った皮膚との接触で「Skin contact with phosgene has been known to cause severe skin burns in humans. Vapor contact with moist or wet skin can lead to irritation and erythema.(ホスゲンの皮膚接触により、ヒトに対して重度の皮膚火傷を引き起こ事が知られている。湿った、あるいは濡れた皮膚との蒸気接触により、刺激、紅斑が引き起こされるかもしれない)」との記載がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
CERIハザードデータ集 2000-51 (2001)、環境省リスク評価第4巻 (2004)、EHC 193 (1997)、ACGIH (7th, 2001)のヒトへの健康影響の記述において「本物質は強い刺激性があり、3 ppm 以上で眼や鼻に刺激性を示し、飛沫が眼に入った場合は重度の傷害を示す。」「眼刺激と灼熱感」等から、強い刺激性を有すると考えられるため、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない               皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:  データなし
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - IRIS (2006)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(小核試験)で陰性、であることから「区分外」とした。
6 発がん性 分類できない - - - 毒性情報はあるが既存分類がないため、専門家の判断に従い、分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - データなし
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(呼吸器)の障害
ヒトについては、「異常は主に肺に見られる」、「呼吸困難及び虚脱感症状」、「ホスゲンによる脳障害は低酸素血症と低血圧による二次的なものである」(IRIS (2005))、「頭痛、悪心、咳、呼吸困難、疲労感、咽頭痛、胸部圧迫感、胸部痛、発熱が観察された。そのうち7人には肺水腫が認められた」(EHC 194 (1997))等の記述、実験動物については、「肺胞タイプI細胞の障害」、「終末細気管支および肺胞壁への単核球の集積」(EHC 193 (1997))等の記述があることから、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器)とした。
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(呼吸器) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(呼吸器)の障害
ヒトについては、「レントゲン像及び臨床症状から25人が肺炎とされた」、「そのうち2人がホスゲンによる気管支炎と報告された」(EHC 193 (1997))、「浅速呼吸、分時拍出量高値、酸素取り込み量低下」(IRIS (2005))等の記述、実験動物については、「GDP活性上昇、GPD活性上昇; 肺胞細胞過形成; 細胞質内空胞含有食細胞」(EHC 193 (1997))、「肺胞の間質肥厚、終末細気管支/肺胞の炎症細胞浸潤、終末細気管支/細気管支周囲のコラーゲン増加」(IRIS (2005))等の記述があることから、呼吸器が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。
以上より、分類は区分1(呼吸器)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - 分類対象外

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(慢性) 分類できない - - - データがなく分類できない。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


物質一覧ページに戻る

GHS関連情報トップページに戻る

このページの先頭へ