参考資料
解説・用語集(エクセルファイル(64KB))
| ID57 ヒドラジン一水和物(CAS番号 7803-57-8) | 分類実施日 | H18.7.24 (環境に対する有害性についてはH18.3.31) |
| 使用マニュアル | GHS分類マニュアル(H18.2.10 版) |
| 危険・有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起用語 | 危険有害性情報 | 分類根拠・問題点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 火薬類 | 区分外 | - | - | - | ヒドラジン類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8 (ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
| 2 | 可燃性/引火性ガス | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 3 | 可燃性/引火性エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
| 4 | 支燃性/酸化性ガス類 | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 |
可燃性液体 |
BUA205(1996)による引火点は75℃(開放式)であり、「区分4」に該当する。なお、国連危険物輸送勧告では、クラス・区分6.1およびクラス8 容器等級I〜III(但し、容器等級がIのもので「引火点が60℃以下の物質は引火性液体の副標札を貼付しなければならない」との特別規定あり) (ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
| 7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 8 | 自己反応性物質および混合物 | 区分外 | - | - | - | ヒドラジン類であり、爆発性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8 (ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
| 9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告が、クラス・区分6.1およびクラス8 (ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
| 10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 11 | 自己発熱性物質および混合物 | 分類できない | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
| 12 | 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 | 分類対象外 | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
| 13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | ハロゲンを含まず酸素を含む無機化合物であるが、この酸素が水和物として付加する水分子以外と化学結合していない。 |
| 14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
| 15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | 有機化合物でない。 |
| 16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | Merck(13th,2001)ではステンレス鋼に対する腐食性では、V2A、SUS304、SUS347は侵さないが、SUS316のようなモリブデン系は使用すべきでない、としているがデータがなく分類できない。なお、国連危険物輸送勧告では腐食性物質に該当しているが、皮膚腐食性も含む分類なので、金属腐食性に該当するのか判別できない(ヒドラジン水和物は、国連番号2030(水溶液で濃度が37質量%以上のものに限る)を参照としている)。 |
| 危険・有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起用語 | 危険有害性情報 | 分類根拠・問題点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | ![]() |
危険 |
飲み込むと有毒 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 262 mg/kg、169 mg/kg、220 mg/kg(厚労省報告 (2003))に基づき、計算式を適用して得られたLD50 172 mg/kgから、区分3とした。 |
| 1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | データなし |
| 1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
| 1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | データなし |
| 1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | データなし |
| 2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | ![]() |
危険 |
重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷 |
NITE初期リスク評価書 No.73 (2005)のウサギを用いた4時間適用試験結果において「55%溶液を適用したところ、7/11 匹にて皮膚適用部位に腐食がみられた」との報告が得られたことから、区分1A-1Cとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、1Aとした方が望ましい。 |
| 3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | ![]() |
危険 |
重篤な眼の損傷 |
有害性情報「2.皮膚腐食/刺激性」において、区分1A-1Cと判断していることから、技術指針に従い、区分1とした。 |
| 4 | 呼吸器感作性又は皮膚感作性 | 呼吸器感作性:分類できない 皮膚感作性:区分1 | (呼吸器感作性) − (皮膚感作性) ![]() |
(呼吸器感作性)− (皮膚感作性)警告 |
(呼吸器感作性)− (皮膚感作性)アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ |
呼吸器感作性:データなし 皮膚感作性: NITE初期リスク評価書 No.73 (2005)のヒトへの健康影響の記述にて、「感作性については、ヒドラジンとその塩はヒトに接触アレルギーを発症する」という報告が得られていること。また、日本産業衛生学会では、皮膚感作性「第2群」注)と分類していることから、区分1とした。 注)ヒドラジン自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。 |
| 5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | ![]() |
警告 |
遺伝性疾患のおそれの疑い |
CERI・NITE有害性評価書 No.73 (2004)、EHC 68(1987)の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験(マウススポット試験)で陽性、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験なし、であることから「区分2」とした。 健康有害性については、【ID56、ヒドラジン、CAS:302-01-2】も参照のこと。 |
| 6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | 毒性情報はあるが 既存分類がないため、専門家の判断に従い、分類できないとした。なお、本物質の発がん性については、【ID56、ヒドラジン、CAS:302-01-2】も参照のこと。 |
| 7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | データ不足により、分類できない。 健康有害性については、【ID56、ヒドラジン、CAS:302-01-2】も参照のこと。 |
| 8 | 標的臓器/全身毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓) | ![]() |
危険 |
臓器(中枢神経系、肝臓、腎臓)の障害 |
ヒトについては、「急性暴露によって中枢神経系、肝臓、腎臓に影響を及ぼすことが知られている。」(環境省リスク評価第1巻 (2002))の記述があることから、中枢神経系、肝臓、腎臓が標的器官と考えられた。 以上より、分類は区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓)とした。 本物質の分類に際しては、評価書にヒドラジン水和物で試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。しかし、本物質はヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)と水が反応して容易に形成される。そのため動物を用いた試験等でヒドラジンを水に溶解して暴露する場合はヒドラジン(一)水和物の状態であると考えられる。よって、ヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)の分類結果も合わせて参照し、評価すること。 |
| 9 | 標的臓器/全身毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、神経系、消化管、腎臓) | ![]() |
危険 |
長期または反復暴露による臓器(肝臓、神経系、消化管、腎臓)の障害 |
ヒトについては、「肝毒性、神経症状、心臓症状」、「黄疸、死後の剖検で重度腎炎、尿細管壊死、糸球体腎炎、限局性肝細胞壊死がみられた。」(CERI・NITE有害性評価書 No.78 (2004))、「胃炎、振戦, 嗜眠, 言動の一貫性喪失, 黄疸, 肝臓の肥大で易触診, 血中ビリルビン量の上昇, 血中クレアチニン量の上昇, 蛋白尿、剖検所見:重度の尿細管壊死」(IARC (1987))等の記述があることから、肝臓、神経系、消化管、腎臓が標的臓器と考えられた。なお、消化管への影響については、経皮暴露試験での影響のため、標的臓器として採用した。 以上より、分類は区分1(肝臓、神経系、消化管、腎臓)とした。 本物質の分類に際しては、評価書にヒドラジン水和物で試験を行ったとする明確な記述がある報告に限定し、それを分類の資料として採用した。しかし、本物質はヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)と水が反応して容易に形成される。そのため動物を用いた試験等でヒドラジンを水に溶解して暴露する場合はヒドラジン(一)水和物の状態であると考えられる。よって、ヒドラジン(ID: 0056、CAS No.302-01-2)の分類結果も合わせて参照し、評価すること。 |
| 10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | データなし |
| 危険・有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起用語 | 危険有害性情報 | 分類根拠・問題点 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | ![]() |
警告 | 水生生物に非常に強い毒性 | 藻類(セレナストラム)の72時間ErC50=0.19mg/L(環境省生態影響試験、2001)から、区分1とした。 |
| 11 | 水生環境有害性(慢性) | 区分1 | ![]() |
警告 | 長期的影響により水生生物に非常に強い毒性 | 急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=-2.07(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(ヒドラジンのBODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ)から類推)ことから、区分1とした。 |