GHS分類結果 (関係省庁連絡会議 平成18年度事業)

ID43 o-トルイジン(CAS番号 95-53-4) 分類実施日 H18.6.20 (環境に対する有害性についてはH18.3.31)
使用マニュアル GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 火薬類 分類対象外 - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
3 可燃性/引火性エアゾール 分類対象外 - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス類 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告
可燃性液体
ICSC(2004)による引火点は85℃(密閉式)であり、「区分4」に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性物質および混合物 分類対象外 - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点482℃(ICSC,2004))。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性物質および混合物 分類できない - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水と接触して可燃性/引火性ガスを発生する物質および混合物 分類対象外 - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1 (国連番号1708 トルイジン、液体)。

健康に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
飲み込むと有害
ラットを用いた経口投与試験のLD50 670 mg/kg、940 mg/kg(CERIハザードデータ集 97-21 (1998))、900 mg/kg(CICAD No.7 (1998))に基づき、計算式を適用して得られたLD50 698 mg/kg から、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告
皮膚に接触すると有害のおそれ
ウサギを用いた経皮投与試験のLD50 3,250 mg/kg(CERIハザードデータ集 97-21 (1998))、3,235 mg/kg (CICAD No.7 (1998))のうち、低い方の値のLD50 3,235 mg/kgから、区分5とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - GHSの定義による液体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3 危険を表わす髑髏のシンボル
危険
吸入すると有毒
ラットを用いた吸入暴露試験 (蒸気) のLC50 862 ppm (4時間)(RTECS (2006))に基づき、計算式を適用してLC50(4時間換算値)の3.86 mg/Lが得られた。飽和蒸気圧0.2 kPa(20℃)(CERI・NITE有害性評価書 No.202 (2004))における飽和蒸気圧濃度は2000 ppmである。今回得られたLC50は、飽和蒸気圧濃度の90%より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」として、ppm濃度基準値で区分3とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - データなし
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告
軽度の皮膚刺激
CERI・NITE有害性評価書 No.202 (2004)のウサギを用いた皮膚刺激性試験結果の記述「軽度の皮膚刺激性」から、4時間適用試験か不明だが、軽度刺激性を有すると考えられ、区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告を表わす感嘆符のシンボル
警告
強い眼刺激
CERI・NITE有害性評価書 No.202 (2004)のウサギを用いた眼刺激性試験の記述「眼刺激性が認められた。」から、本物質は眼刺激性を有すると考えられるが、その程度が不明であるため、区分2A-2Bとした。細区分の必要がある場合は、安全性の観点から、2Aとした方が望ましい。
4 呼吸器感作性又は皮膚感作性 呼吸器感作性:分類できない             皮膚感作性:分類できない - (呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
(呼吸器感作性)−
(皮膚感作性)−
呼吸器感作性:データなし
皮膚感作性:  データなし
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - CERI・NITE有害性評価書 No.202 (2004)、IARC 77 (2000)、NTP DB (Access on Feb., 2006) の記述から、経世代変異原性試験なし、生殖細胞in vivo変異原性試験なし、体細胞in vivo変異原性試験 (小核試験、染色体異常試験) で陰性であることから、区分外とした。
6 発がん性 区分1B 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
発がんのおそれ
NTP (2005) でR、IARC (2000) で2A、日本産業衛生学会で2Aに分類されていることから、区分1Bとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - データ不足のため分類できない。
8 標的臓器/全身毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系、血液系、腎臓、膀胱) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
臓器(中枢神経系、血液系、腎臓、膀胱)の障害
ヒトについては、「頭痛、疲労、めまい、あるいは悪心が認められた」(CERI-NITE有害性評価書 No.202 (2004))、「激しい呼吸困難、発汗、チアノーゼ、血尿を呈している」(CERIハザードデータ集 97-21 (1998))、「腎臓や膀胱への刺激を起こして血尿をもたらす」(環境省リスク評価第3巻 (2004))等の記述があることから、中枢神経系、血液系、腎臓、膀胱が標的臓器と考えられた。
以上より、分類は区分1(中枢神経系、血液系、腎臓、膀胱)とした
9 標的臓器/全身毒性(反復暴露) 区分1(血液系) 危険を表わす人物シルエットのシンボル
危険
長期または反復暴露による臓器(血液系)の障害
ヒトについては、「メトヘモグロビン症(6-19%)」(DFGOT vol.3 1992)との記載があり、実験動物については、「脾臓のうっ血、髄外造血亢進及びヘモジデリン沈着と骨髄の細胞増多」(CERI・NITE有害性評価書 No.202 (2004))、「メトヘモグロビン血症、赤血球減少症、網状赤血球増多症」(CERIハザードデータ集 97-21 (1998))等の記述があることから、血液系が標的臓器と考えられた。なお実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲で見られた。
以上より分類は区分1(血液系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - データなし

環境に対する有害性

危険・有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起用語 危険有害性情報 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - 水生生物に毒性 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=8mg/L(CERIハザードデータ集、1997)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(慢性) 区分2 警告を表わす水生生物と毒物のシンボル
- 長期的影響により水生生物に毒性 急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.32(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がない(BODによる分解度:5%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。

参考資料

分類マニュアル

技術上の指針

解説・用語集(エクセルファイル(64KB))


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